「世界の車窓から」という番組は、短いながらもなかなかクオリティの高いコンテンツである。その映像もさることながら、流れる音楽もまた絶妙なチョイスである。たまたまチャンネルを合わせていたある日、その音楽が耳を打った。画面に目をやると、隅の方にその曲とアーティスト名があったので、私は何気なくアーティスト名だけをメモに走り書きした。
しばらくして、CDショップの視聴機巡りをしていた私は、あるCDを聴いた。トップチューンに一耳惚れした私は、そのままそのCDを買った。待てよ、確かこの名前、とメモ帳のページをめくると、そこには”レイラ・ホワイト”とあったのだ。これがCDでなく女性であれば、間違いなく私は結婚しているだろう。
洋楽アーティストかと思いきや、実はサウンドスタッフはほとんどが日本人で、マネージメントも日本の事務所である。デビューの経緯や本人のプロフィールなどもあまり詳細には書かれてなく、別に秘密にしているわけでもないのだろうが、アーティストの素性より曲が前に出ているということは歓迎したい。
ミディアムでメロウなナンバーが中心で、ファンキーな曲もこなす。アダルトな声質だが、さほど太くはなく、ある意味それほど特徴的ではない声なのだが、どうしても聞き捨てならない魅力が隠れている。もはや感性の領域なので文章化することはできないが、私の中のピースにはまったことは確かである。
彼女のアルバムは都合4枚出ているが、全てトップチューンががっちり私を捉えている。他が悪いというわけではないが、CDショップの視聴機巡りという性格上、これは実にハマりやすい。前にも書いたが、好きか嫌いかはイントロの10秒で決まる。その辺りも含めて、なかなか小憎らしい選曲である。
レイラ・ホワイトは、BGMとしても最適である。ゲレンデやプールサイド、オープンカフェなんかにも似合うだろう。オーナーの方はぜひ検討していただきたい。きっと私以外にもがっちりはまるお客が現れることだろう。
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