Basia 「Time and Tide」

ジャケ写買いというのをたまにやる。ジャケットの写真だけ見て、音も聴かずに買ってしまう。非常に危険ではあるが、当たったときは嬉しい。そんなにお金はないので、ジャケ写借りというのもやっていた。バーシアはまさに大当たりだった。
私の記憶が正しければ、クラブクアトロの柿落としは彼女のライヴであった。その後、彼女がマット・ビアンコの一員だったことを知った。マット・ビアンコがデビューした後、メンバーの一人と駆け落ちみたいに脱退したそうだ(実際にご結婚されているそうな)。
マット・ビアンコは後々触れるとして、バーシアである。彼女はポーランド生まれで、本名をバーシア・チェチェレフスカという。このアルバムが発売された当時、まだベルリンの壁は存在していた。ワルシャワ条約機構もあったはずだ。しかし、音楽に国境はないということは、周知の事実である。
ボサノヴァを中心としたラテンフレーヴァー溢れるリズムとメロディは、彼女の聡明なヴォーカルと相俟って、俗に「バーシア節」とも呼ばれている。デビューアルバムでそのスタンスは既に確立されていたのだから、実力は推して知るべしである。
尤も、既にマット・ビアンコでその才能は開花しており、彼女がソロデビューするのは必然だったのかもしれない。
新しい音源が途絶えて久しいが、ぜひまたあの「バーシア節」を聴きたいものだ。

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