ガンアクション演出講座 #終 私が惚れたアクションシーン

既出のニキータやレッドブル以外にも、私のハートを捉えて止まないガンアクションは数々ある。
まずは切っ掛けともなった「リーサルウェポン」のヘリ銃撃シーン。重要な証人を狙撃した犯人をリッグス刑事が追い掛け、海上を逃走するヘリに向けて、ベレッタを1マガジン全弾叩き込む。「終わったか?」「まだ始まってもいねえよ」。あのシーンは今観ても背筋が震える。メル・ギブソンのシューティングに関してはこの際目を瞑ろう。
マイケル・マンが「ヒート」以前に撮った「メイドインL.A.」という作品に、「ヒート」とまったく同じ長時間の銃撃戦シーンがあるのだが、その冒頭、同僚の刑事が撃たれた報復に、主人公がフランキのSPAS15をセミオートでぶっ放す。もう撃つわ撃つわ、車はぼこぼこ穴だらけ。セミオートショットガンは、なかなか登場しないので貴重である。
「Ghost in the Shell」にもいいシーンがたくさんある。この映画のガンアクションは、実写以上に完璧である。マイクロウージーのホットロードフルオート射撃や(ほんま無茶しよる)、トグサがマテバを扱うシーンなどは、観ていてよだれものである。続編である「イノセンス」にVP70が出てきたときは涙が出てきた。
「ダイハード」のステアーAUGもよく回転している。部屋中のガラスを撃つシーンは、大音響で観れば迫力があるだろう。ステアーと言えば、「ニキータ」のシーンも緊迫感があってよかった。狙撃は難しいのである。
大阪弁べらべらのスティーブン・セガール師匠も、「刑事ニコ・法の死角」でベレッタ92SBを華麗に操る。実は私と師匠の銃の持ち方は同じで、両の親指を重ねて握る。シューティングスクールなどでは親指は平行にしろと教えているのだが、私はどうも平行にすると安定が悪いので、自然に重ねるようになった。師匠の上から見下ろすような構え方も好きである。
この講座を締めくくる最後のガンアクションは、デスペラードである。まさに問答無用、あの映画を観てしまうと、ちまちまリアルにこだわっていた自分がばかばかしくなるだろう。なんといってもあのギターケースである。あれは誰にも真似のできない(したくない?)オリジナリティ溢れる実にクールなガンアクションである。
全5回に渡ってくだくだ言ってきたが、結局は日活アクションに戻ってしまった。一番大事なのは、自分のスタイルを追求して確立することである。それができれば、日活だろうとバイスであろうと怖くはないのだ。ではまた、近いうちに。