史上最悪のお笑い番組「エンタの神様」

とうとう私も堪忍袋の緒が切れた。この記事をブログとしてネットの世界に留めておく。
日本テレビが土曜の夜10時から放送している「エンタの神様」という番組がある。こういう芸人のネタ見せ番組は基本的に歓迎するが、この番組は違った。
私が初めて観たのはチャンネルのザッピングで、ちょうどますだおかだが目に留まった。M-1を獲って、いよいよ東京進出かと思っていたら、画面にテロップが出た。私は長い間漫才やお笑いの番組を観ているが、画面に演者のセリフのテロップを見たのは初めてである。
と驚いている次の瞬間、画面はCMへ行った。
「えーっ!」
思わず私は声を上げてしまった。これは芸人に対する冒涜以外の何者でもない。私は即座にチャンネルを変えた。しばらく、何とも言い様のない感情で胸が一杯だった。
ネタ中にテロップを入れ、CMを挟む。例えば、ミュージックステーションで宇多田ヒカルが歌っていて、サビのところでCMを挟むだろうか。「エンタの神様」はそれを堂々とやってのけたのである。これは存在を許してはならない番組である。にもかかわらず、放送開始から間もなく一年半が経とうとしている。
先日、久しぶりにチャンネルを合わせてみた。確かインパルスがコントをやっていたように思うが、テロップは流れない。改心してくれたかと安心した次の瞬間、オチの決めのところでテロップが出た。あーあ。
確かに、その決めは聞き取りにくかったかもしれないが、決めが聞き取りにくいなど、芸人としては致命的であり、練習していない証拠である。たぶんディレクターは、フォローしてやってるつもりなのだろう。そんなことで芸人が育つか、あほんだら。
スタッフに一人でも関西人がいれば、この暴挙は回避できたであろう。なぜなら、関西人はお笑いを愛し、また尊敬している。尊敬するお笑い芸人のネタをテロップで隠し、CMでぶったぎるなど、まさに万死に値する行為である。お笑いを単なるエンターテインメントとして扱っている連中には、きっと永遠にわからないだろう。
話によると、毎回新ネタを下ろしているらしいが、それが番組の構成作家によるものだそうだ。面白ければそれでいいと思っているのだろうが、芸人はどんなネタでもやればいいわけではない。芸人とネタにも相性があり、芸人はネタを客前で転がすことによって、細かな間の取り方や喋りの勢いなどを量っていく。そうやって徐々に修正していくことによって初めて完成されたネタができあがる。「エンタの神様」のやり方は、まさにお笑いの量産である。しかも、品質の著しく悪い、露店で20円で売っているようなネタである。
一体、当の芸人達は何と思っているのだろうか。もしネット上でこの記事を見ているのなら、ぜひコメントをいただきたい。あんな番組でも出られるだけマシ、なのだろうか。もしそう思っているのなら、所詮その程度の芸人であることに気づいてほしい。
ともかく、「エンタの神様」はお笑い界に存在してはならない番組である。それはまさにメルトダウンした原子炉、笑いを滅ぼす放射能は、依然としてお茶の間に降り注いでいる。