史上最悪のお笑い番組「エンタの神様」がヤフーのニュースにあったので

捨て置こうとも思ったが、少し触れておく。以下、記事。

プロデューサーに聞く「エンタの神様」好調の秘密
若手お笑い芸人ブームといわれるなか長井秀和(34)、はなわ(28)、青木さやか(31)、友近(31)らが育った日本テレビ系「エンタの神様」(土曜午後10時)が好調だ。プロデューサーで、数々のヒット番組を送り出してきた五味一男氏(48)に舞台裏を聞いた。
「投稿!特報王国」「マジカル頭脳パワー!!」などのヒットバラエティーで知られる五味氏が手がけ、昨年4月にスタートした「エンタ…」。当初は歌+芸のコンセプトだったが、その後、毎回約10組の芸人が登場し、次々とネタを披露するだけの形態に。これが土曜夜の激戦区で平均視聴率15%という人気ぶり。
まさに芸人のネタが勝負の番組だけに、出演者の選考も真剣。五味氏は毎回、お笑いライブなどのテープ100-300本をチェック。目についた芸人も約半年育ててから出演させるという。
この間、「選んだ芸人にただ時間を与えてネタをやらせるだけということはしない。全国区で分かりやすい笑いになるように、一緒に笑いを作っていく」と、登竜門ならではのマンツーマン。
また、「コンビの場合は、メジャーでないと『どこの2人が話してるんだ?』と視聴者も感情移入できないが、“ピン(一人)芸人”はメッセージを送る相手(客)が明確で、見る方も“ツッコミ視線”で見られるから」と、ピン芸人が多いのも特徴で、ブームを後押ししている。
現在、番組では“ギター侍”こと波田陽区(29)がイチ押しだが、五味氏は「今後、新しいスタイルのお笑いもお見せできるでしょう」と次なる芸人の発掘、ブレークにも自信を見せた。
(夕刊フジ) – 8月21日13時4分更新

という記事である。
まず訂正。友近はこの番組で育っていない。友近を育てたのはバッファロー吾郎である。それに、テレビで芸人は育たない。芸人を育てるのは舞台であり、客である。
さて、「エンタの神様」が高視聴率なのは、番組の内容以外に裏番組の影響もある。TBS系は「ブロードキャスター」、フジ系は映画、テレ朝は「土曜ワイド劇場」と、二時間ぶち抜きものが二つもある。それに若者の見る番組がない。土曜の夜とはいえ、遊びに行く若者ばかりではない。家でテレビを見ているのもいるだろう。加えて、前の番組はジャニーズ系やハロプロ系のタレントが出ているドラマがある。ぶら下がり効果は絶大だ。そこに、「エンタの神様」はうまく付け込んだ。
”芸人のネタが勝負”とあるが、テロップで邪魔(援護か?)している限りはネタで勝負とは言えない。ネタで勝負するならテロップをやめよ。それとも、テロップもネタの一つか。五味氏の芸人選びはプロデューサーとして当然の仕事である。別段書き立てることでもない。
”全国区で分かりやすい笑い”と来たか。まさに東京キー局の考えそうなことだ。あいつらは、全国に同じような人間が住んでると思ってる。これこそ私が危惧している感性の画一化である。服や色に流行があるのも、そのほうが作りやすいし売りやすいからである。送り手の都合のいいように事は運ぶようになっている。一億総白痴化は、相当進んでいるようだ。
次のセリフが一番引っかかった。
「コンビの場合は、メジャーでないと『どこの2人が話してるんだ?』と視聴者も感情移入できないが、“ピン(一人)芸人”はメッセージを送る相手(客)が明確で、見る方も“ツッコミ視線”で見られるから」
視聴者のみなさん、バカにされてますよ。どっちが喋ってるかわからんやろってさ。つまりこれは、同じ無名で腕のない芸人なら、コンビよりピンのほうが扱いやすい、ということである。とても本気でお笑い芸人を育てているようには思えない。ピン芸人なら、なぜ落語をしない。落語はまさに客と1対1だ。落語では数字は取れんか。明らかにテレビ用の芸人を生産しようとしている番組の姿勢が窺える。いっそ、視聴率を重視して何が悪い、と開き直って欲しい。
批判記事を書き始めて、スタッフの考えを知りたいと思っていたのだが、タイミングよくこの記事を見つけた。しかし、番組をろくに見ないで批判するのもなんなので、来週あたり我慢してちゃんと見てみようと思う。最後まで見通せるか自信はないが、他の番組では見かけないギター侍も見てみたい。
じゃ、また来週(笑