手持ちのCDで比較的新しい部類になる。最初に聴いたのは「シトラス」だったが、牧歌的というか、実にナチュラルでストレートに心に響くサウンドであった。アイコのヴォーカルも素直で気持ちのいい声である。
アルバムを通して聴くと、スウェディッシュポップの色がなんとなく感じられた。サウンドはシンプルだが深みがあり、アイコはルーシーのアイデンティティたりえる伸び伸びとしたいい声である。
「カタクリの花」のようなしっとりした曲から、「Smile Again」のような楽しい曲まで、ライヴを中心に力を付けてきたバンドだけあって、偏りのないサウンドメイクはなかなかである。
しかし、セカンドアルバム発売直前に、ギターの福村貴行が脱退、彼は事実上ルーシーの要であったため、バンド活動は以降収束していく。そして昨年11月、彼は持病が悪化し、亡くなってしまった。この記事を書くにあたって、初めて私はその訃報に接した。
今でも元気にルーシーは活動中であるが、そのことがなにより嬉しい。
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