きみのためなら死ねる

確かに、私は24時間ネットの中にいるが、まだまだ知らないことはたくさんある。この記事のタイトルが、まさかゲームのタイトルであるとは信じられない人もいるだろう。
既出のまいやひーFLASHのページで、また奇妙なFLASHを見つけた。絵はさておき、どうにも耳に引っ掛かる音楽である。それは、ゲームの公式サイトで流れているものだった。
早速訪ねてみると、「きみのためなら死ねる」というセガのNintendoDS用ゲームソフトの公式ページだった。一枚で、他に何もリンクがない。と思ったら、隠しリンクが散りばめられていた。どうも恋愛ゲームのようだが、今までのよりH度がかなり高いようだ。とはいえ、乳首がリアルに出てくるようなものではない(当たり前じゃ)。
NintendoDSの特長であるタッチパネル機能をフルに使って、例えば画面に出てくる女の子を触るとかつつくとか、そういうアクションができるらしい。やっぱりかなりH度は高い。モロだの中だのストレートな表現が多い昨今、そういう暗喩なエロはなかなかお目にかかれない。
かつて旧みかつうで、ドリームキャストの不振にあえいでいるセガはハードをやめてソフトハウスに徹しろという記事を書いたことがあるが(残ってたら紹介したい)、私の意見は当たっていたようだ。任天堂でこのようなソフトが出るのも、やはり山内という呪縛が解けたからである。あとは、青少年なんとか委員会みたいなところが、このゲームにチャチャを入れないように警戒しておきたい。
このゲームは恐らく、NintendoDSのキラーソフトになるだろう。実際のところ、やってみたいのは正直なところだ。
きみしね公式 http://kimishine.sega.jp/

MTJ#2

「Sticky Music」 Sandii & The Sunsetz
「紙芝居が始まるよー」ファーストカットからいきなり細野晴臣が拍子木を打つ。YMO育ちとしては見逃せないビデオだった。まったりとほのぼのとした曲調で、無国籍感が漂う。”Sticky”とは本来”ネバネバした”という意味であるが、日本語の”素敵”にも引っ掛けてある。とはいえ、水飴をメンバーでこねくりまわしているシーンもあったりする。

「ヴァージニティ」 レベッカ
レベッカは、サーモン木暮が抜けるまではよく聴いていた。いわゆるアーリーレベッカでは、一番好きな曲である。切ない。失恋、自殺をキーワードとして、ドラマ仕立てでシーンは進む。実に切ない。当時は悲惨なくらい華奢なNokkoが、これまた見ていて切ない。

「恋の予感」 安全地帯
出てくる女優さん(不明)がかわいかった。ドラマ風のイメージシーンによる構成で、ディーゼル車の汽笛が哀愁である。ご存知のように、彼らは井上陽水のバックバンドとして活動していたので、当時からその実力は推して知るべしである。ま、新人の爽やかさはないが。

「スイートインスピレーション」 シーナ&ザ・ロケッツ
めんたいロックの雄。私が最もかっこいいと思うギタリストが、鮎川誠である。真っ白なホリゾントをバックに、皮のロングコートで決めたフロントの3人がステージングする。シナロケにしては爽やかな曲である。この曲からシーナが産休に入り、バンドはザ・ロケッツとしてしばらく活動する。かっこいいお父さんとお母さんでいいなあ。

「青い実の瞳」 太田裕美
曲のクレジットを見逃すと、誰の曲かはわからない。へえ、という感嘆とともに、もう一度ビデオを観ることになるだろう。アップテンポでポップな気持ちのいい曲である。妖精のようなコスプレをしたご本人が、コマ落しの映像であちこち飛び回る。もちろん、色調はブルーだ。声は歳を取らないのでいい。

マイヤヒー

それを知ったのは、アダルトサイトのニュース欄だった。リンク先には、2chキャラのかわいいFLASHとともに、ダンサブルな音楽が流れていた。
始めは空耳っぽいFLASHに惹かれたが、やがてそのフレーズが耳にこびりついた。何語かわからないそのフレーズは、こんな極東の島国の人間にさえ何かを感じさせた。
黒海の北、モルドバという、ルーマニアとウクライナに挟まれた小さな国がある。この歌は、その国で生まれた。今夏、フランスやイタリアを中心に、ヨーロッパで大ヒットしたそうだ。0-ZONEという男性三人組が歌の主である。さしずめ、日本の少年隊のようなアイドルっぽい風貌である。
モルドバと聞いて、あなたは恐らくそれがどこにあるかわからなかったはずだ。もちろん、私も知らなかった。しかし、そこで生まれた音楽は、確実にこの極東まで届き、誰かに何かを感じさせている。
この冬、モルドバからやってきた音楽が、日本を席巻するかもしれない。のまのまいぇい。
http://csx.jp/~damemushi/il/maiyahi.html

バックナンバーズ・いい大人になろうと思う

知り合いの女の子から、コンパニオンの仕事を始めたのでプロフィール用の写真を撮ってくれないかと話がきた。軽い気持ちで受けたが、直前になってそれがかなり重要な写真であることがわかって、私は正直ビビった。
隠さずに言おう、下心はあった。ああ、あったさ(開き直るな)。しかし、それを聞いてから、こいつは真剣にやらないと彼女のために悪いなと思った。もしかすると、私の写真が彼女の運命を左右してしまうかもしれないのだ。
そんな歳になったのかと、思った。そんな責任を負えるのかと、自分に問うた。ほんの一瞬だが、断ろうかとも思った。
撮影当日、ファインダーの中の彼女は、明るくてかわいかった。予算も省みず、四本のフィルムが回った。寒風吹きすさぶ中、三ヵ所のロケ地を移動したが、私の早足に彼女はついてきてくれた。
たった二枚の写真のために、私も彼女も、持てる力を全て出そうとしていた。結果がどうでるかはわからないが、フィルム代の封筒に同封されていたメッセージカードを見て、私は思った。彼女のためにも、いい大人になろうと。
(みかつう9802号)

戦闘メカザブングル

富野喜幸がガンダムで注目された後なので、ザブングルは大いにファンや業界を沸かせた。ガンダムのようなリアルロボット路線を歩むかと思いきや、意外にもギャグものであった。丸顔の主人公がその証拠である。
ではリアルではなかったかといえば、ウォーカーマシンなどは実にリアルで、そのまま街角の工事現場に置けるくらいディテールが細かかった。しかもハンドル操作で動くのだ。
その分、主役メカのデザインがギャグのように浮いてしまい、物語の途中で交代するという前代未聞の出来事が起こってしまう(後にサンライズの定番となる)。
私が触れたいのは、銃の話である。放送当時はあまり銃について詳しくなかったが、後にザブングルがかなり銃について細かい設定や描写があるというので、改めて見直してみた。実は、登場キャラ一人一人にお抱えの銃があったのだ。
例えば、主人公のジロン・アモスはブローニングHP、ラグ・ウラロはHK・P7、ブルメはエンフィールド、チルはスコーピオン、ダイクはキャリコ、キッド・ホーラはモーゼルミリタリー、ティンプはもちろんコルトSAAなど、まさにマニアでしかわからないような設定になっている。そういえば、オープニングでは各キャラが発砲するカットがあるし、ジロンの持つブローニングHPのアップショットもある。興味を持って観ないと気づかないものだ。
残念ながら、本編では活躍の場をウォーカーマシンに譲るわけだが、制作に関わったガンマニアはきっと歯痒かったことであろう。

MTJ #1

音楽系ネタが限界に来ているので、私の得意な80年代~90年代のビデオクリップからアーティストを抜粋してレビューしてみたい。

「Midnight Kids」 中村あゆみ
まだこの頃はオールディーズブームを少し引きずっていた感があって、中村あゆみもどちらかといえばそんなイメージがあった。実際ビデオも埠頭やそれっぽい店で(本牧あたり?)ロケーションされている。内容は至って普通で、歌って踊るだけ。ご本人はまだまだ現役で活動していて、最近テレビで拝見したが全然変わらず、ものすごくいい女になっていた。あれから20年も経っているというのに!

「夏の日」 オフコース
オフコースは、精力的にビデオクリップを制作していた。それもドラマ仕立てで、小田和正が監督し、もちろんメンバー全員が出演する。この曲はゲストに田中美佐子を迎え、大間ジローを主人公に、コミカルで淡い恋物語であった。小田監督の手腕はなかなかなもので、色調を抑えた映像やソツのないカット割りなど、一つの映像作品としても充分見応えのあるものになっている。

「狂い咲きピエロ」 爆風スランプ
コミックでパンキッシュなバンドであった爆風スランプ。デビュー当初はギャグものばかりではなく、この曲のようにちゃんとした(?)曲もあった。こんなダークサイドな部分がなくなってから、爆風スランプの魅力は半減したように思う。ライブシーンの映像だが、メリハリのあるライティングが各メンバーをクールに映し出す。ちゃらけてないパッパラー河合はなかなかお目にかかれない。

「十七歳の地図」 尾崎豊
そう、80年代中期の大型新人である。外面は目一杯ツッパっているくせに、サウンドはやたら優しかったりする。今の高校生がこの歌詞を見たら、きっとSFのように驚くだろう。ライブハウスのステージ映像を中心に、蜂などのコラージュ的なカットが被る。尾崎豊もビデオクリップはかなり凝っていた。いわゆるプロモーションビデオ全盛の時代である。

「MA TICARICA」 立花ハジメ
元プラスチックス、ビジュアルアーティストとしても名高い立花ハジメのビデオクリップは、コンピュータグラフィックス。といってもこの時代、主流は8ビット機でCGと言っても動きのほとんどないチープな(今から思えば)ものである。それをカバーして余りあるのがデザインセンス。さすがである。

装甲騎兵ボトムズ

リアルロボットアニメの最高峰である。寡黙な主人公、全裸のヒロイン、重厚なBGM。子供の入る隙はない。
ボトムズがリアルロボットたらしめたのは、主役メカの設定であろう。これまでのロボットアニメは、主役となるロボットが特定の一台で、最強もしくはトップモデルであり、無類の性能を誇るものであった。しかしボトムズの主役メカであるATは、戦車や戦闘機などと同等の兵器であり、搭乗者によって能力の差はあるものの、基本的には量産兵器である。よくぞスポンサーが付き合ってくれたものだ。タカラには感謝したい。
物語の主人公であるキリコは、そのATをまさに兵器のようにぞんざいに使い捨て、ときにはカスタマイズして乗りこなす。今まででは見られなかった光景だ。
特定の主役メカ不在という状況でも、ボトムズのメカは実に存在感があり、何よりもかっこいい。中でも、炸薬で作動するアームパンチ、足裏のホイールを回転させて高速で移動するローラーダッシュ、そのローラーダッシュ中に足首から楔を地面に打ち込んで停まるターンピックといったアクションは、独創的でまさにロボット兵器の魅力をふんだんに描き切っている。
炎と煙、男と女、野望と策略。ドライでありながらもホットな人物描写も素晴らしい。来年の私の誕生日にDVDボックスが発売予定である。後世に残しておきたい作品だ。
あまり知られていないと思うが、主題歌を歌うTETSUとは、織田哲郎氏である。
装甲騎兵ボトムズ