魔境伝説アクロバンチ

”スタジオNO.1と金田伊功”と聞けば、チャンネルを合わせないアニメファンはいない。もちろん、当時の私もその一人だった。
あのブライガーには及ばないものの、金田節全開のオープニングは殿堂ものである。パースや骨格を全く無視した人物作画が、いざアニメーションとなるといきいきと動き出す。
一番弟子と言われた越智一裕が初演出を手掛けたのもこの作品である。師匠に言わせればまだまだの出来だったそうだが、当時としては大抜擢である。
また、いのまたむつみが作画監督、キャラクターデザインとして初めてクレジットされるのもこの作品である。既に葦プロ作品で頭角を現し、人気も出てきたときであった。
リアルロボット全盛の時代、確かに作画に関しては話題性が高かったが、ストーリーの完成度が低かったため、やはりこの作品も低迷した。放映時間も3度変更(関東地区)され、視聴率という魔境で番組もさまよったようだ。