装甲騎兵ボトムズ

リアルロボットアニメの最高峰である。寡黙な主人公、全裸のヒロイン、重厚なBGM。子供の入る隙はない。
ボトムズがリアルロボットたらしめたのは、主役メカの設定であろう。これまでのロボットアニメは、主役となるロボットが特定の一台で、最強もしくはトップモデルであり、無類の性能を誇るものであった。しかしボトムズの主役メカであるATは、戦車や戦闘機などと同等の兵器であり、搭乗者によって能力の差はあるものの、基本的には量産兵器である。よくぞスポンサーが付き合ってくれたものだ。タカラには感謝したい。
物語の主人公であるキリコは、そのATをまさに兵器のようにぞんざいに使い捨て、ときにはカスタマイズして乗りこなす。今まででは見られなかった光景だ。
特定の主役メカ不在という状況でも、ボトムズのメカは実に存在感があり、何よりもかっこいい。中でも、炸薬で作動するアームパンチ、足裏のホイールを回転させて高速で移動するローラーダッシュ、そのローラーダッシュ中に足首から楔を地面に打ち込んで停まるターンピックといったアクションは、独創的でまさにロボット兵器の魅力をふんだんに描き切っている。
炎と煙、男と女、野望と策略。ドライでありながらもホットな人物描写も素晴らしい。来年の私の誕生日にDVDボックスが発売予定である。後世に残しておきたい作品だ。
あまり知られていないと思うが、主題歌を歌うTETSUとは、織田哲郎氏である。
装甲騎兵ボトムズ