MTJ #1

音楽系ネタが限界に来ているので、私の得意な80年代~90年代のビデオクリップからアーティストを抜粋してレビューしてみたい。

「Midnight Kids」 中村あゆみ
まだこの頃はオールディーズブームを少し引きずっていた感があって、中村あゆみもどちらかといえばそんなイメージがあった。実際ビデオも埠頭やそれっぽい店で(本牧あたり?)ロケーションされている。内容は至って普通で、歌って踊るだけ。ご本人はまだまだ現役で活動していて、最近テレビで拝見したが全然変わらず、ものすごくいい女になっていた。あれから20年も経っているというのに!

「夏の日」 オフコース
オフコースは、精力的にビデオクリップを制作していた。それもドラマ仕立てで、小田和正が監督し、もちろんメンバー全員が出演する。この曲はゲストに田中美佐子を迎え、大間ジローを主人公に、コミカルで淡い恋物語であった。小田監督の手腕はなかなかなもので、色調を抑えた映像やソツのないカット割りなど、一つの映像作品としても充分見応えのあるものになっている。

「狂い咲きピエロ」 爆風スランプ
コミックでパンキッシュなバンドであった爆風スランプ。デビュー当初はギャグものばかりではなく、この曲のようにちゃんとした(?)曲もあった。こんなダークサイドな部分がなくなってから、爆風スランプの魅力は半減したように思う。ライブシーンの映像だが、メリハリのあるライティングが各メンバーをクールに映し出す。ちゃらけてないパッパラー河合はなかなかお目にかかれない。

「十七歳の地図」 尾崎豊
そう、80年代中期の大型新人である。外面は目一杯ツッパっているくせに、サウンドはやたら優しかったりする。今の高校生がこの歌詞を見たら、きっとSFのように驚くだろう。ライブハウスのステージ映像を中心に、蜂などのコラージュ的なカットが被る。尾崎豊もビデオクリップはかなり凝っていた。いわゆるプロモーションビデオ全盛の時代である。

「MA TICARICA」 立花ハジメ
元プラスチックス、ビジュアルアーティストとしても名高い立花ハジメのビデオクリップは、コンピュータグラフィックス。といってもこの時代、主流は8ビット機でCGと言っても動きのほとんどないチープな(今から思えば)ものである。それをカバーして余りあるのがデザインセンス。さすがである。