今から考えれば、ガンダムと同時期に制作され放映されていたのだから信じられない。当時の私は、ガンダムよりもイデオン派だった。キッチンの死に泣き、ミサイル一斉発射に震え、理不尽な放送打ち切りに憤慨した。小学校5年生である。
メカの話ばかりで申し訳ないが、イデオンに登場するメカは重機動メカと呼ばれ、全てバッフクラン側の製造によるものである。全長100mを超えるイデオンに対抗するため、必然的にでかくなってしまったというわけだ。
始めはジグマックやドグマックなど人型を模していたが、後半は完全に対イデオン用ワンオフモデルとして、ガルボジックやギドマック、アブゾノールなどが登場した。
戦闘機も小さいながら比較的充実していて、ギルバウ、ゴンドバウなどイデオンにハーケン攻撃を仕掛けるものや、ズロオジックのように四機に分裂するものなど、多岐に渡った。
テレビ版では割愛されたが、物語も終盤に向かうにつれ、敵の兵器もどんどん大きくなっていく。イデオン中最大の戦艦、バイラルジン。”エ”の字型をしていて、全高はなんと10km以上。そんな乗り物をつくってしまうバッフクランでさえ、イデオンのパワーには適わない。
と思いきや、とうとうアニメ史上最大の兵器が現れた。ガンドロワである。全長なんと500km以上!東京-秋田間にも匹敵する(当時計った♪)のである。
ひらべったいウニのような形をしていて、そのトゲトゲで超新星のエネルギーを吸い取り、前面にある六角形をした三つの目から吐き出す。その威力は、惑星を吹っ飛ばすほどだ。しかし、イデオンはそのビームの直撃にも耐えてしまった。恐るべし。
しかし、二度目の発射で遂にイデオンは破壊され、差し違えのイデオンソードがガンドロワを貫き、近隣の宇宙もろとも壊滅する。合掌。
まさしく桁違いの作品であったが、哲学的なストーリーは大人になった今でも充分鑑賞に耐え得る。ただし、いきなり劇場版を観るよりテレビ版での予習をお薦めする。