先日、あわや台風が上陸しそうな勢いだった。12月である。上陸はなかったが、その台風崩れの低気圧の影響で、首都圏では夏日を記録した。12月である。もうすぐクリスマスである。確か日本は北半球にあったはずなのだが。今年は半袖のサンタが見られそうだ。
ここしばらく、寝入りばなに蚊に襲われる。電気を消して布団に潜り込むと、程なくして耳元をあの嫌な音がかすめる。大の大人が蚊一匹に寝不足である。
この12月に蚊?と異常気象のせいにしそうだが、実はこの晩秋から初冬にかけて、毎年蚊のうるさい時期である。
守口で独り暮らしをしていたときも、この時期になると蚊に悩まされていた。電気を消すとやってくる。電気を消さないとこない。布団に入ったままでも、明るい間はやってこない。暗くなると、寝よった寝よったとばかりに布団から出ている頭の方へやってくる。
そこで電気をつけて蚊を探すと、大概天井やベッドの枕元の板にいるので、うちわで叩き殺す。だが安心してはいけない。電気を消すと後続部隊がやってくるのだ。やつらはなぜか集団では襲ってこない。次お前行け、と言わんばかりに交代でやってくる。ひどいときは、次から次へ5、6匹やってくるのだ。そういうのは守口だけかなと思っていたら、実家も同じだった。
夏、クーラーで部屋は閉め切られている。屋外も暑いので、蚊の活動は鈍る。涼しくなって、窓を開けるころから活動を再開し、この時期、寒くなる屋外から暖かい家の中へ活動拠点を移す。あとは家人に殺されるまで部屋の中でぶんぶん飛び回る。
しかも、ちゃんと血を吸いにくるからなお始末に困る。布団を被って頭だけしか出していないので、この間は瞼を食われたらしく目がお岩さんみたいになってしまった。指先を食われると異常にかゆくなるのも困りものである。
うちは小鳥がいるので、殺虫剤の類いは使えない。もっとも、蚊や害虫は己の手で叩き殺した方がストレス発散にもいい。今日の夜も、うちわ片手に部屋の隅を睨み続ける私がいるだろう。
余談だが、私が何気なく蚊を殺すのに使っているうちわ、もともとは蚊を追い払う道具でもあったそうだ。飛んでいるところを叩き落とすと失神するのでそこをティッシュで摘んで捻り潰すがよろし。

MTJ #15

「Temptation Girl」BOX
杉真理と松尾清憲という往年の(失礼)大ベテランが組んだユニット。もろロンドン、もろリバプールって感じ。ギターサウンドはさすがである。ロンドンっぽいカット割りもいい雰囲気である。安心して聴ける曲。

「Loosen Love Sick」The Shamrock
こっちもロンドン。三つボタンのスーツで決めたビートルズライクなサウンドの二人組。二人とも歌ってギターを弾く。粗い感じの街のイメージショットとシネカリっぽいテロップがいけてる。アルバムは買わなかったが、割と好みの曲が多かった。

「悪の華」Buck-Tick
これだけ尖り切ったバンドも珍しい。それこそ髪型みたいに。もちろん現役で活動中。メジャーデビュー以降、いろいろあったがメンバー変更一切なし。ちなみに、ドラムさんは今でもツンツンである。寿ももちろん頬にB-Tと入れているし。

「バージンブルース」戸川純
「昭和享年」というアルバムの中の曲。そんな頃である。オリジナルは野坂昭如氏。純ちゃんは戦後の赤線、みたいな雰囲気。またそういうのがよく似合うからさすが元祖不思議少女。憂国調の詞が増え始めたのが少し気になったが、別に思想的に何かあるわけではない。

世代交代

先日、ちょっとショッキングな発表があった。ドラえもんの主要スタッフが放送25周年を期に交代するというのだ。もちろん、声優陣もである。日本を代表するアニメの一つであって、これだけ長い間お茶の間に親しまれたドラえもんの声が変わるというのは、そう簡単に済ませられる問題ではない。
声優は、声の芝居なので歳を重ねて容姿が変わっても仕事を続けることができる。声は歳をとってもそれほど変化はない。事実、70歳を過ぎた声優が、2歳3歳の子供の声を演じることもできるのだ。長く演じられるからこそ、息の長い人気シリーズを生み出すことができる。
だが、アニメのキャラクターと違い、声優は確実に歳をとる。歳をとった先には、人間としての死が待っている。誰でもそうだ。世代を超えて愛されるキャラクターも、声を演じる方はどこかで世代交代をしなければならない。
これは、ドラえもんに限らず、サザエさんやルパン三世など他の長寿シリーズにも言えることだ。慣れ親しんだ声が変わるのは戸惑うかもしれないが、決して避けて通れないものなのである。世代を超えて愛される人気シリーズの宿命とも言えるだろう。世代交代の先に何が待っているのか、まだ誰も知らない。
次世代ドラえもん声優陣は、間違いなく重圧に押し潰されるだろう。視聴者がどこまで寛容になれるかが鍵だが、新しいスタッフにはものまねではなく、自分たちのドラえもんを創り上げていってほしい。
さて、四代目となるドラえもんは誰があてるのだろうか。とりあえずスネ夫は千葉繁、しずかちゃんは渡辺菜生子あたりと睨んでいる。のび太は千秋なんかどうだろう。ジャイアンも意外と適役がいない。ダミ声というのは絶対条件であろうから、郷里大輔あたりか。やはり問題はドラえもんである。一般公募やオーディションも悪くないが、なまじ中途半端な声優や素人を立てれば、プレッシャーで潰れるのは間違いない。肝の座った舞台女優あたりから選ぶのはどうだろうか。次の25年を担うという意味から考えると、年齢は50歳以下だろう。どういった人選になるかは全く予想できないが、国民が納得できるレベルには持っていってほしいものだ。

とりあえずベストゲーム

テレビゲーム黎明期に育った我々は、まさにその歴史とともに歩んだとも言える。インベーダー、ファミコン、プレイステーションと数々のゲームをこなしてきているだけに、造詣も思い入れも深い。新カテゴリー設置に伴い、とりあえずベストゲームを三つだけ挙げてみよう。
まずは、国産RPGの最高峰、ドラゴンクエスト(以下DQ)である。今から考えるとシナリオも一本調子だし、グラフィックも美麗とまではいかないが、日本にロールプレイングゲームを根付かせた貢献は賞賛に値する。何より、私も大ハマりしたうちの一人である。
エニックスとチュンソフトが制作したDQは、アクションやシューティングが中心のゲームソフトに、新たにRPGというカテゴリーを打ち立て、瞬く間にそれはゲームの中心的存在にまで発展した。当然、他のいろんなRPGが発売されたが、練り込まれたシナリオとゲームバランスは、他の追随を許さなかった。そして唯一対抗し得たのが、スクウェアのファイナルファンタジーシリーズである。しかしまさか、その二つのソフト会社が合併しようとは、正直夢にも思わなかった。
現在、最新作のDQ8が発売されているが、もしかすると古いゲーマーの中には「あれはDQじゃない」と思っている方もいるだろう。私もそのうちの一人である。
次は、ゼルダの伝説である。ファミコンのディスクシステムソフト(以下FDS)として開発された。FDSはファミコンのロムカートリッジに比べ、容量やサウンドエンジンが強化されている。何より、ゲームデータのセーブロードが相当便利になった。もうあの謎の呪文をメモする必要がなくなったのだ。加えて、ディスクをソフトごと書き換えることによって、新しいゲームがプレイできる。任天堂の新たな試みであった。
ゼルダの伝説は、アクションロールプレイングという形式をとる。前述のDQがコマンドロールプレイングというプレイヤーがキャラクターを動作するコマンドを選択してプレイするのに対して、アクションロールプレイングは、キャラクターを直接操作する従来のアクションゲームに、RPG的な成長要素を加えたものである。
スーマリ的なアクション要素に、プレイを重ねるたびにキャラが強くなるというRPG要素、加えて、エンディング後に始まる裏面や、ダンジョンの隠し扉や隠しアイテムなど、今までのゲームになかった奥行きと懐の深さがゲーマーを熱中させた。現在に至って数々の続編がつくられたが、やはりオリジナルのゼルダの伝説が一番である。
最後は、私がこの二十年ベストワンに挙げ続けているメトロイドである。
メトロイドもRPG的な要素があるが、基本的にはアクションゲームである。サイドビュー、迷路のようなダンジョンで、敵やパワーアップアイテムを探しつつ、最終ボスを目指す。アクションは、難易度のバランスをとるのが難しい。楽過ぎてはつまらないし、難し過ぎてもつまらない。メトロイドは、そのゲームバランスに優れたゲームである。
大ボスを倒しての大脱出(あれは焦った)、メトロイドの浮遊感とミサイルを撃ち込んだときのエフェクト、プレイヤーキャラクターの様々な攻撃アクション、スーマリを彷彿とさせるステージング。まさにシューティングアクションの最高峰である。
グラフィックが優れているものだけがいいゲームソフトとは限らない。プレイヤーを如何にゲームの世界に引きずり込むか、それは動きがスムーズなムービーでも何万色表示できるグラフィックでもない。ボタンを押してキャラが動く、プレイヤーとキャラクターの同化。この一語に尽きるのである。

MTJ #14

「ANGEL」氷室京介
ボウイ解散後、待望のソロデビューである。今活躍中の全てのヴィジュアル系に影響を与えた張本人。ビデオは場末のショーパブに出演している女装のダンサーの悲哀を描く。ビデオに本人が一切出ていないのは比較的珍しい。出てたかな。

「だいすき」岡村靖幸
沢田研二、大沢誉志幸と続くナルシストラインである。スカした感じに嫌悪感を覚える男子も多かったことだろうが、人気はそこそこあった。ビデオは、白バックに本人と女性だけのシンプルな映像に子供達のコーラスが被るので、本人の軟派なキャラが少し薄まる。元々がコンポーザーなので、楽曲提供やプロデューサーとしての活動も多い。しばらく表舞台から遠ざかっていたが、電グルの石野卓球とのコラボアルバムで復活、最近ソロも出して完全復活を遂げている。

「タンポポの微笑み」パール兄弟
しっとりと落ち着いた曲である。このビデオには後日談があって、大谷石という有名な石材の採石場でビデオ撮影とレコーディングまで行われたのだが、数ヶ月後にその採石場が崩落してしまったのだ。パール兄弟危うし、である。しかし、その甲斐あって、荘厳な雰囲気のサウンドに仕上がっている。

「ソウルサバイバーの逆襲」The Newest Model
ネオサイケとかいうムーブメントがあったように思う。ネオアコとかネオGSなんかも90年代にはあった。無国籍なサウンドイメージを持つこのバンドは、後にメスカリンドライブと合体してソウルフラワーユニオンというこれまた強烈な無国籍バンドに成長する。ビデオにちょっとネオサイケ的なイメージがあるね。本人はそんなもん関係ないんだろうけど。

大学院映像研究科映画専攻

という学科が、東京芸大に新設される。そこで、北野武監督が教授として招聘されるそうである。
このニュースを聴いて、ああたけしさんの授業なら受けてみたいなと思ったと同時に、大学院まで進んで勉強したところで、いい映画が撮れるとでも思っているのだろうかという疑問が沸いた。
そういう意味では、実は私も同類である。大学で映像を勉強したところで、いい映画が撮れるとは思っていない。しかし、大学で授業はもちろん、いろんなことを学んだのは事実である。映画を撮るためには、己の充実が最も必要なものだとわかったのも、大学へ行ったからこそである。
技術は教え、教わることができるが、芸術はそうはいかない。芸術は感じるものであって、決して人に伝えたり教えられるものではないのだ。
さて、大学院でたけし教授は何を教えてくれるのだろうか。確かこないだ、「オレは漫才師なんだけどな」という言葉を聞いたような気もするが。

2004M-1グランプリ決勝進出組決定

東京ダイナマイト(オフィス北野)
アンタッチャブル(人力舎)
タカアンドトシ(吉本興業 東京)
千鳥(吉本興業 大阪)
トータルテンボス(吉本興業 東京)
南海キャンディーズ(吉本興業 大阪)
POISON GIRL BAND(吉本興業 東京)
笑い飯(吉本興業 大阪)
以上の8組に加えて、当日の敗者復活で1組、合計9組での決勝となる。
楽しみにしているお笑いファンには申し訳ないが、今年は笑い飯で決まりである。対抗馬が全く存在しない今年は、ほぼ100%笑い飯がグランプリを獲るだろう。
ただ、MBS漫才アワードのように観客の点数を重視するような採点方法ならばあるいは、という可能性もなきにしもあらずである。笑い飯が上り調子なのは間違いないが、観客はかなりネタに慣れてきているので、当日の観客の沸きで採点を左右される審査員が出てくるかもしれない。
自己中40女のとばっちりで外れた紳介さんの影響で、審査員の点数も去年に比べれば予想しにくい。がしかし、どれだけマイナス要素があるにせよ、やはり笑い飯の牙城であることは間違いないだろう。
個人的には、南海キャンディーズの決勝進出は嬉しい。難しいとされる男女コンビで、着実に力をつけてきている。ネタにもっとドツキを入れて、カチッとした山ちゃんの風貌が崩れていくというパターンも取り入れてほしい。長らく絶えていた男女ドツキ漫才の復活を期待している。
決勝は、12月26日である。
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