私が最初に観たのは、「放送禁止歌」という回だった。私は常々、ドキュメンタリーというものは作り手の意思が介在している以上、演出が加えられたコンテンツであり、客観的な事実、事の真相を伝え得ないと思っていた。
それは、この番組を観て大きく変わった。ドキュメンタリーはノンフィクションではなく、命題に対する作り手の考えや問題提起であり、結論は受け手に委ねられるものであった。
民放としてはかなり勇気の要る、ある意味相当ぶっ飛んだコンテンツを制作しているのが、フジテレビのNONFIXというセクションである。
ただ、思想的に全くバイアスがないかと言えば、やはりそこは少々右に傾いているのかもしれない。私が観た「放送禁止歌」は、放送禁止歌が生まれた背景を辿って、解同本部にまで乗り込んだのだ。ブッシュがバクダッドに行くようなものである。
もちろん、思想に絡んだものばかりではなく、いろんな題材で番組はつくられている。関東ローカルなのでなかなか観られないが、地方局の編成担当はぜひなんとかしていただきたい。
http://www.fujitv.co.jp/nonfix/index2.html