第40回上方漫才大賞

上方演芸のこういった大賞は、むしろ新人賞に権威がある。それを象徴するかのように、新人賞候補者は錚々たるラインナップである。
生放送、客の反応はダイレクトだ。

・南海キャンディーズ
トップバッターで山ちゃんも声張り気味。バスガイドネタ。しずちゃん熱演。客の笑いもかなりある。二人とも声が通るというのはかなり有利。
・千鳥
大悟の田舎ネタ。ちょっと大悟アップアップぎみ。客の返りは薄め。
・THE PLAN9
さてそろそろ賞を獲っておきたいところだ。お前ら新人かという突っ込みはなしということで。お、縦になったぞ。いつ見てもネタはよく練られている。
・ダイアン
あまり露出は少ないが、動きのあるしゃべくりでウケもいい。こころなしかネタ時間が長いような。
・麒麟
新人賞対象組とは言え、実力は中堅クラスである。ファッションショーネタ。安心して観られるレベルになっている。

奨励賞:メッセンジャー
黒田は最近MCとしての腕を買われている。二人でネタをする機会は確かに減っているが、関西ローカルでは不可欠な存在になっている。じじばばウケするようなネタができるようになったか。

新人賞:麒麟
優秀新人賞:南海キャンディーズ
至って順当な、獲るべき組が獲ったという感じである。しずちゃんは飄々としているようで実に度胸がある。これに限らず、新人賞受賞者は半分が大化け、半分は跡形もなく消えていく。この二組は大丈夫だろう。

大賞:中田カウス・ボタン
この二人もやすきよに負けず劣らずいろいろあったコンビである。大ベテランだが実に勉強熱心で(返して言うならそれは当たり前なのだが)若手芸人の信望も厚い。最近芸風がいとこい先生に似てきた。ボタン師匠が真っ当な人生を歩めば、いずれは伝説の漫才師になる日も来るだろう。