レースウィークというのは、一つのイベントとして開催されているため、メインイベントであるフォーミュラレース以外にもレースが行われる。F3であったり、カップレースであったりするのだが、それが少なからずメインレースに影響を及ぼす。それも充分に考えた上で、セッティングに気を配らなければならない。
燃料の戦略も重要である。フォーミュラニッポンは、決勝レース中の給油が義務付けられているため、少なめにスタートしてマージンを稼ぐか、たっぷり入れてできるだけ給油のロスを少なくするか。これによりマシンの重量差が生じ、追い抜きが多く見られる要素になる。
そうなると、ピットクルーは確実に作業を行う必要があり、チーム全体で一丸となってレースを戦う必要が出てくる。
F1で給油が義務付けられた頃、ハイテク時代と相俟ってピットのミスでしか順位が変わらない実につまらない時代があったが、それは逆にピットクルーにいい緊張を与え、ピット作業は重要な見所の一つとなった。今年からF1はタイヤ交換が禁止になり、レースの見所が一つ減ったのは残念である。
今回、2ピット作戦を敢行した小暮は、軽いマシンで数多くのバトルを展開し、見せ所をつくってくれた。優勝した井出も霞むほどである。2回のピット作業に加え、追い抜きもより必要なのでミスの危険性は高いが、見ている方としては面白い。
とはいえ、10位スタートから優勝した井出も素晴らしい。上位の脱落も手伝ったが、ジャンプスタートと堅実な走りで優勝を勝ち取った。
ベテラン勢の元気のなさは心配である。虎、野田は早々にリタイヤし、本山も見せ場なく埋もれてしまった。若手を引きずりおろす脅威になってほしいのだが、がんばってもらいたい。