大賞-辻本茂雄
最優秀新人賞-麒麟
大賞は功労賞的な意味合いが強いのでここでは触れないが、最優秀新人賞が麒麟という結果に首を傾げた人も多いかもしれない。残念ながら当日のネタは見ていないので細かいことはわからないが、事実上麒麟と笑い飯の一騎討ちであった。ではなぜ、今年のM-1最有力候補の笑い飯が敗れたのか。
この上方お笑い大賞は、どちらかといえば保守的な傾向にある。審査委員長が藤本義一であることから、大阪の伝統的な笑いを重んじる向きがあるように思われる。そういう点において、あの笑い飯の特異なネタより、麒麟のオーソドックスなしゃべくり漫才が好まれたのであろう。
もちろん、麒麟には賞に値する実力があるし、審査は公平に行われている。ただ、やはりそこには笑いを審査するという難しさと、ネタの良し悪しだけでは計れないファクターが存在しており、下馬評どおりにいかないことを如実に証明してくれた。
さて、間もなく今年のM-1グランプリが開催されるわけだが、一見すると飄々とした雰囲気の笑い飯、己という最大最強の敵に立ち向かえるかどうか。大番狂わせはあるのだろうか。