MTJ #10

「Like a Moon」Rogue
ビデオというより、この曲がK-Chaps(何代目かのいいとも青年隊)によってカバーされたときに、誰も原曲のことを言及しなかったので、ここに記しておく。だいぶヒットしたように思うが、メンバーの心中や如何に。

「哀愁のダイヤル03-505-4630」Killer May
日本初の女装バンド(笑)とでもいうのだろうか。ビデオもコミカルで面白い。イエローモンキーの母体となったのは有名である。確か11PMに出演したときに、ボンデージ姿のSMチックな女性をいたぶりながら歌っていたような気がする。そのときはちょっと近寄りがたい印象があったが、いつのまにかコミカルになってしまった。

「Marionette」BOΦWY
ガイナックス制作である。後にエヴァンゲリオンなどで名を馳せるアニメ制作プロがビデオクリップを担当した。解散後ソロになった布袋寅泰のビデオも制作している。これほど有名なバンドが、アニメーションのビデオクリップをつくるのは珍しい。アニメのビデオクリップ自体もそう多いものではないが。

「BAD」Michael Jackson
マーティン・スコセッシ監督である。アーティスト本人についてはいろいろあると思うが、個人的にはマイケルのダンスは好きだし、彼も私の敬愛するジーン・ケリーの影響を受けたと言っている。とにかく、名作の部類に入るビデオクリップである。当時とんねるずがパロディを撮っていたが、あれも相当素晴らしかった。

メロンパン

朝はパン食である。独り暮らしのときはせっせとパスタを作っていたが、今はコンビニの菓子パンがほとんどである。
メロンパンに対しては、嫌いではないがあまりイメージはよくなかった。もさもさしているし、口の中でくっつくし、歯には詰まるし、喉は乾くし。パン棚に並んでいても買うことはなかった。
だが、そんなイメージを払拭させたのが、今更かも知れないが焼きたてメロンパンである。もうすっかりブームは去ってしまったが、あれは初めて食べた時、メロンパンはおいしいものだと初めて思ったのだ。
焼きたての甘い香りに加えて、表面のカリッとした食感、中は柔らかくもちもちっとしている。普通のメロンパンにありがちな重厚感はまるでなく、すぐに完食してしまったほどだ。朝に食べることができないのは残念だが、あれなら毎日でもいいと思う。
移動店舗という特殊な営業形態を採っている店が多いので、ブームが去った今となってはどれだけ生き残っているか定かではないが、ぜひスタンダードな商品として定着してほしいものだ。

MTJ #9

「Just a Woman」マリーン
マリーン扮するやり手のキャリアウーマンが、成り上がりの若い副社長に目をつけられて誘われるが、彼女はことごとくそれを振り払う、みたいなストーリー。待ち合わせたバーで、実は彼女が歌っているのだが、副社長はそれを知らないというオチ。アップテンポでノリのいい、好きな曲である。「私はただの女じゃないの」みたいな詞も女性上位時代を表している。

「鉄カブトの女」パール兄弟
パール兄弟-手塚真の真骨頂たるビデオである。モノクロ、8mm、エログロナンセンスと、手塚節全開。アジテーションラップと言う曲のスタイルだと、確か近田春夫氏が言っていたような気がする。夜中に一人でヘッドフォンで聞いていると、ついつい後ろを振り返りたくなるパール兄弟最強のビデオクリップである。

「Red Zone」The Star Club
その筋では有名なパンクバンドだが、映像がよかった。シネカリグラフやコマ撮り、多重露光の合成など、フィルムでできるエフェクトを多用して、かっこよく仕上がっている。イメージ優先の演出としてはかなり完成度が高いように思う。

「Friday Night」The Jadoes
サウンドはそうでもなかったが、ビデオはかなりふざけていた。どうも普通のバンドではなく、お笑いとしても活躍していたようだ。だが調べてみると、メンバーの中に、現在ダンス☆マンとして活動している人がいるらしい。どっちつかずになってしまったのは残念だ。ビデオ中、曲をスクラッチみたいに細かく同じフレーズを繰り返すところで、編集ではなく自分の動きでそれをやってしまう(見てもらったほうが早いよ)のが死ぬほどおかしかった。

芸能マネージャーは大変だ

どんな仕事も大変だが、芸能マネージャーも大変な仕事である。
タレントのスケジュール管理はもとより、タレントがスムーズに仕事ができるようにあらゆる点に気を配らなければならない。プロデューサーに頭を下げ、ディレクターに頭を下げ、フロアで頭を下げ、サブで頭を下げ、タレントを番組で使ってもらうように挨拶は欠かせない。
時には、タレントと事務所の間に立って、タレントの愚痴をなだめることもある。タレントのメンタルケアも任されているのだ。
タレントがテレビ局やスタジオで仕事をしているときは、カメラの後ろで見ながら、ときには目配せで合図したり、いろいろとフォローしなければならない。
どんなに仕事が辛くても、本番中にタレントほったらかしでロビーにコーヒーを飲みにいって、初めて顔を合わせた同じ事務所の先輩タレントに名刺も出さず礼儀もわきまえず馴れ馴れしく話しかけて、挙句の果てにその先輩タレントをキレさせてぼこぼこに殴られて、警察へ被害届出してその先輩タレントを告訴して事務所に大損害を与えた上に、まだその事務所で働こうという自己中心的な考えを押し切るようなことは、あってはならない。
え、あったの?あらま。

機甲創世記モスピーダ

ブライガー、アクロバンチと並んで、金田オープニング3部作と呼ばれて(?)いるのがモスピーダである。ノリのいい曲とともに、金田節全開の作画がスピーディに展開する。
モスピーダは音楽制作に比較的力を入れており、OP、EDや挿入歌はなかなか聴き応えがあった。特にエンディングはテレビアニメ史上初のブルースであり、私も好きな曲の一つである。
劇中に登場するライドアーマーは、バイクが変形してパワードスーツのようになるのだが、理にかなった無理のない変形をしており、なかなか素晴らしいギミックである。バイクが変形してロボットになるというのは、恐らく変形メカとしてはあまり例がない。当時、ちょうどバイクに興味が出てくる年頃だったので、アニメファンでなくてもこの番組を観ている友人は多かった。
ただ、この作品も残念ながら低視聴率のため2クールで打ち切り、ハードSFな舞台設定を活かしきることができなかった。しかし、アメリカでは「ROBOTECH」として再制作され、かなりの人気を博したようだ。

芳本美代子 「I'M THE ONE」

ザ・ベストテンで最高位2位を獲得した「青い靴」が発売されたのが前年の86年。このアルバムは、アイドル歌手芳本美代子として最高の時期に発売されたと言える。
シングル曲を含めた一見何の変哲もないような構成のアルバムだが、暗雲を振り払うような爽快なトップチューン「Kiss the Sky」から、異国情緒漂う「フェリアの娘」、ハイテンポなリズムトラックで盛り上がる「Street Swimming」、ラストはちょっと大人っぽく「Wanna Catch」でメロウに決めてくれる。
飛びぬけてかわいくもなく、飛びぬけて歌がうまいわけでもないが、みっちょんは私にとって永遠のアイドルである。
TL-515 TEICHIKU 19870721

MTJ #8

「Right Place Wrong Time」F.O.E.
YMO散開後、細野晴臣が次のムーブメントを起こすべく結成したF.O.E.(Friends Of Earth)。当然YMO世代は注目したが、尻切れた感じになってしまった。ビデオもライブ映像が中心であまり凝っていない。むしろ「Strange Love」のほうが映像としては凝っている(なら取り上げろよ)。

「黄金の時間」ZELDA
ガールズバンドの祖と言ってもいいだろう。映画「ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け」の主題歌で、ビデオも映画からの映像がふんだんに使われている。今から思えば、いわゆるゴスロリ調の衣装を着ていたように思う。音楽的にも実力を備えたバンドであったが、下に強力なガールズバンドが出てくる。

「KISSでCRIME」プリンセスプリンセス
ガールズバンドの代名詞になってしまったプリプリ。しかし、彼女達もいきなりうまかったわけではない。このビデオを見ると、その一生懸命さというか、必死さが伝わってくる。正直、かわいいとかきれいなバンドではなかったが、魅力的ではあったと思う。プリプリとしてのデビューはこの曲である。

「失意のダウンタウン」久保田利伸
ラップを取り入れた楽曲で、日本で初めてヒットしたのはこの曲ではないだろうか。全編ではないが、間奏部分に挟まれている。若々しいデビュー曲である。既にもうコンポーザーとしての一面もあり、多彩な才能を発揮していた。そしてとうとう全米デビューを経てソウルトレイン出演である。すごい。日本の音楽界において、R&Bシンガーという系統を築いたミュージシャンと言えるだろう。

「江戸時代の恋人達」パール兄弟
手塚真が撮ったと聞いて、見ない訳にはいかない。お茶の子博士で散々楽しませてくれて、今度はどんな映像が見られるのだろうかと。だが私は映像より音楽にはまってしまった。パール兄弟との出会いである。ビデオは、股旅姿のメンバーが砂浜で歌う。もちろん8mm。ざらっとした画質は見慣れたいつものやつだ。手塚真-パール兄弟の真の姿は、「鉄カブトの女」までおあずけである。