ネオソフトロールというパンがある。山崎製パンのロールパンの中に雪印ネオソフトというマーガリンが入ったコラボ商品である。
私はこれが好きで、かなりの頻度で食べていた。朝食によし、おやつによし、小腹によし。そのままでもよし、ちょっとだけ焼いてもよし。価格的にもリーズナブルなので、常に家にあったと思う。
そんなある日、私は突然下痢に悩まされた。もともと下痢症なのだが、今度のは毎日のように続いている。だが、ならない日もあるので、何か食べ物が原因なのかと考えた。
私のおなかを苦しめていたのは、マーガリンであった。ネオソフトロールを朝食べた日は、昼過ぎに必ず下痢を起こすのだ。どうやら生のマーガリンがだめらしい。焼いた食パンに塗ったマーガリンなど、少しでも加熱してあるのは大丈夫なのだが、ネオソフトロールのマーガリンは生、原因はそれであった。
残念ながら、それ以降ネオソフトロールを買うことはなくなった。断腸の思いである。食べたい、でも下痢をしてしまう。それだけ私の身体が歳を取ってしまったのだろう。
ツナもまた同じである。某所で仕事をしていたとき、昼休み抜きで作業をするときもあるので、小腹が空くと職場のおねえちゃんに何か買ってきてもらっていた。ある日食べたツナサンドがおいしかったので、何か買ってきてと言えばツナサンドであった。
それがある日である。この間までなんともなかったのが、ぴーごろごろっと来てしまった。原因を突き止めたところ、ツナサンドであった。たぶんツナの油と私の相性が悪くなったのだろう。ツナサンドも諦めるしかない。
年を重ねることによって食べられなくなる物があるというのは辛いものだ。嗜好が変わったのなら諦めもつくが、身体に合わないという理由で食べられないのは実に歯痒い。たまに欲望に負け、覚悟を決めて食べることもあるが、ああやっぱりとトイレに駆け込むのがオチである。人生あと半分、せめて食欲だけは全開でいきたい。