全国のアニメファンがその一挙手一投足に注目していた富野由悠季。ダンバインの不甲斐ないラストを受けたのか、エルガイムでは主導権を永野護に譲った。彼の世界観が存分に発揮され、富野色はかなり薄められた。
ずんぐりむっくりのメカとキャラに慣れていた我々は、永野の創り出す流麗なメカニックや個性的なキャラクターに翻弄され、また虜にさせられた。中世ヨーロッパのエッセンスが漂うその世界観は、エルガイムならではのものである。
その斬新なメカニック故、スポンサーのうけはあまり良くなかったように思うが、それほど影響はなかった。それもそのはず、このエルガイムの後には、あのビッグタイトルが潜んでいたのだ。だから黙っていたのだろうか。
劇中に登場するメカ、ヘビーメタルが使用する、背丈程もある射撃兵器バスターランチャーは、後に他のいろいろ作品でも登場するほどの人気となった。リアルロボットと謳っておきながら、こんな取り回しにくい兵器などナンセンスなのだが。