細木数子が映画のタイトルに口を出し、このままではヒットしないと言ったので製作サイドも改題したそうだ。なんでもかんでも口出ししやがってあのクソババア、と言いたいところだが、どうも最近、特に洋画の邦題については私も首を傾げていたところだ。
邦画全盛の大昔、洋画には必ずと言っていいほど邦題が付けられていた。もちろん、直訳しただけのものやそのまま外来語にしただけのものもあるが、小粋なタイトルが付いていたものだ。
近年、邦画が衰退して洋画がはびこっても、「氷の微笑」などという素晴らしい邦題もあった。ところがこの十年程、洋画にはほとんど邦題がつけられず、そのままカタカナにしただけのものがあまりにも多過ぎる。私が観た中で閉口したのは、「エグゼクティブ・デシジョン」である。何の映画がこの題名で分かる人がいるだろうか。
邦題を付けるのは配給会社の仕事である。サクラの客を使った下らないCMをつくっているヒマがあったら、客が観に行きたくなるような邦題を考えろ。業務怠慢も甚だしい。AVビデオでも観て少しは見習え。「ベルリン・天使の歌」をもじった「ベロチン・天使の舌」には涙が出たわ。