フライデー

初めてインベーダーゲームをやったのは、確か小学校4年生くらいだったと思う。どこかの小さいゲームセンターというか、空き部屋に筐体を置いただけのゲームコーナーみたいなところでやったと思う。初スコアは340点だった。
今の子供達以上に、僕達がゲームにはまったのは当然だった。家は繁華街にも近く、小学校5、6年生になるとゲームセンター通いをするようになった。
京都の繁華街、河原町通から少し入ったところに、フライデーというゲームセンターがあった。大きなゲームセンターで、筐体が4、50はあったと思う。よく杉山君と遊びに行ったのを覚えている。
インベーダーブームは過ぎ去ったが、巷にはいろんなゲームが溢れ始めていた。私が強烈に憶えているのが、トランキライザーガンとムーンクレスタである。
トランキライザーガンは、その名の通り麻酔銃でジャングルに潜む猛獣を狩って得点にする。ムーンクレスタは、いわゆるシューティングゲームで、合体要素が売りであった。レバーは十字、ボタンも一つしかない時代の話である。
ほとんど毎日のように通っていた気がする。普通なら、不良少年への第一歩だったかも知れないが、ただ純粋にゲームがやりたかっただけであって、その辺の分別はあった。手持ちの小遣いがなくなれば終わり。欲望に任せたなりふり構わない連中とは違う。
大人になってコンピュータが発達してくると、エミュレータというものの存在を知った。あの懐かしのゲームが、自宅のパソコンで遊べるのである。私は真っ先に、この二つのゲームをプレイした。今から比べれば、チープで単純なゲームだが、コンピュータゲームが持つ本質は何も変わっていない。
ほんの一瞬だけ、あのフライデーで過した空気が甦ったような気がした。