アサヒの「Dew」というチューハイのCMが、視聴者からの苦情で差し替えられた。CMのほとんどの時間、商品名である「Dew」をずーっと叫び続けるというのが問題だったようだ。実は私もちょっと耳につくなとは思っていた。
確かにインパクトとしては面白いものだったが、苦情のほうが上回ってはしょうがない。
取るに足らないクレームで、面白いCMがつまらなくなるのは考え物だ。ただやはり、CMは商品広告なので視聴者から反感を買ってしまっては意味がない。
そんなわけで、以前クレームを入れたアース製薬の虫ころりアースはまだ流れている。いつまでスポットするのか、流れる時間帯はどこなのか、もう一回クレームを入れてやろうかと思う。
まだクレームはついていないが、ちょっと待て、というCMがある。日産のセレナという車だ。車が広いということをアピールするため、誰を誘う?というコンセプトで製作されている。
車に乗った親子が、街を走りながら誰を誘おうか決めかねている。父親が三人の板前を見つけて「あいつらは?」と誘う。
あいつら?見ず知らずの他人を、しかも大人を指してあいつら?
この父親の口の利き方には大いに疑問がある。
CMは、一日や二日で作るものではない。何日も何十日もたくさんの人々が関わって製作されている。にもかかわらず、誰一人このセリフにチェックを入れなかったのは、クライアントや代理店の怠慢に他ならない。
CMは短いから楽かと思われがちだが、飛び交う金はテレビ番組のそれと大差はない。短いからこそ手抜きのできない一発勝負なのだ。さて、セレナのCMはどうなるだろうか。