アメリカGPも初見となるが、ビデオを再生したらとんでもないことになっていた。
オーバルコースとミシュランタイヤの相性が合わず、フリー走行でシュー弟が大クラッシュしてしまった。原因がタイヤにあるのは明らかだが詳細は判明せず、十周以上の走行は保証できないというのだ。
ドライバーの安全確保を考え、ミシュランは予選後のタイヤ交換を申し出たがFIAは却下。それならばとオーバルコースにシケインをつくってスピードを落としてほしいと申し出たがこれも却下。
そして、フォーメーションラップが終わろうというとき、ミシュランタイヤ勢のマシンが次々とピットイン、レースをボイコットしてしまったのだ。スタートしたのはブリジストン勢の6台のみ。なんというグランプリだろうか。
これでみなさんにも分かったと思う。FIAは、こういう組織なのだ。
あくまでもルール最優先、観客のことなど考えていない。しかも、エンターテインメントの国アメリカでこういうことをすれば、来シーズンはもうキャンセルだろう。
百歩譲って、ブリジストンに比べてオーバルのノウハウがないミシュランタイヤの技術的な怠慢だとしても、最優先に考えるべきは金を払って観に来ている観客のことであって、ドライバーの安全確保に対する要求すら撥ね付けるというのは、F1を開催してやっているというFIAの傲慢以外の何物でもない。
これで、コンコルド協定改定に関する対立は決定的となった。F1の未来が少し心配である。
十五年以上モータースポーツを観てきたが、こんなに酷いレースは見たことがない。