SFか刑事ものかと問われれば、私は刑事ものと答える。フェラーリにぶち込まれる銃弾の雨、マジでエイリアンのようなカイル・マクラクラン、骨太刑事のマイケル・ヌーリー。悪のエイリアンが次々と民間人に憑移していき、それを追い掛ける二人。立派なバディムービーである。
銃の話。マイケル・ヌーリーが持っているのはベレッタM92SB。名銃92Fのベースとなったモデルである。外観上は92Fとさほど変わらず、トリガーガードが丸いことくらいだ。確かこの頃はまだベレッタはあまり登場せず、まだガバやSWリボルバーが幅を利かせていた時代だったと思う。
カイル・マクラクランが持っているのはS&W・M645。45口径のステンレスモデルである。一応FBI捜査官から奪った(というか成り済ましている)という設定だと思うが、この頃のFBIって645みたいな銃は持ってなかったような・・・。PPK腰だめでダブルタップ、みたいな時代だったように思う。
撃っても死なないというシチュエーションは、既にターミネーターがやっていた。それは豪快なガンアクションを演出できるので、ロボコップやこの映画でも取り入れられている。細かな演出も忘れていない。ちゃんと発射音に違いがあって、マニアも納得のガンアクションである。
ガンアクション以外でいうと、カイル・マクラクランと娘の関係が気になる。ラスト、瀕死のマイケル・ヌーリーに乗り移り、彼の命を助ける(でも中身はカイルじゃねえの?)のだが、意識を取り戻したマイケルを見つめる娘の演技がちょっと気になる。正体に気づいている節が窺えるのだ。しかし、娘役の女の子が小さ過ぎて感情の機微が今一つ芝居に現れず、ややわかりにくい演出になった。
地味な作品だが、コアな人気を博した映画である。続編のようなものもつくられたが、それはそっとしておこう。