MTJ #27

「牡牛座ラプソディ」キリンジ
詞が秀逸である。言葉の使い方選び方、音の捉え方、韻の置き方、全てにおいて実に興味深い。ローマ字の字幕が出るので、ついつい追ってしまう。キリンジはやはり平板アクセントで読むべきか。どうしても”麒麟児”こうなるのだが。

「数え足りない夜の足音」UA
確かレコーディングのついでにロケしたビデオだったと思う。北欧あたりだったかな。曲の渋さは言わずもがな、これは特に渋い。しかしドレミノテレビは凄まじかった。とかくその陳腐(チープとも言うが)さが嘆きの日本音楽界だが、あれを観て育った子供の中に、きっと恐ろしい才能を持ったアーティストが現れるだろう。余談だが、上のキリンジの曲でドラムやってるのがともともこと、山口ともである。

「Ex-Girlfriend」No Doubt
当たり付きのカールにまず目を奪われることだろう。あそこまでリアルにリサーチしてつくっておきながら、本来あるはずのない当たり付きとはこれ如何に。ハードチューンだがどこか物悲しい印象を受ける曲である。なぜカールが当たり付きなのか、ドラムはなぜパンイチなのか、いろいろと謎のつきないビデオである。その謎は公式で。
http://www.nodoubt.com/

「Do You Believe In Magic?」Cymbals
トミーフェブラリーより遥か以前、世のメガネっこフェチを震撼させたのがシンバルズである。でもないか。女性ヴォーカル、男二人というと甘ったるい印象のあるバンドが多い中で、シンバルズは鋭く尖った一面を持ち合わせていた。それはまさにシンバルのようにシャープに突き刺さる。おお久々にまともな評。

「少女ロボット」ともさかりえ
椎名林檎プロデュース。度肝を抜かれるとはまさにこれ。騒がしいまでにノイジーなアレンジに、妖しげなともさかの肢体が蠢く。戸川純、椎名林檎と続く憂国ロリポップ路線を継ぐのかともさか、と思われたが、事なきを得た。一児の母かよ。

恐怖の追跡

一発屋、笑えなくなった芸人、ふけたアイドル。あれ、あの人今何をしているんだろうというときは、このサイトが役に立つ。
サイト管理人が調べるのではなく、捜索依頼をサイト閲覧者が見て報告する。大抵は検索すれば出てくる情報なのだが、中には本人から報告が来ることもある。
人物だけでなく、うろおぼえの歌や昔見たテレビ番組や映画など、細かく説明できればみんながなんとかしてくれる。
そこのお笑い芸人、あのギター持って着物着て「残念!」とか言ってた人誰だっけ、とか言われないようにしよう。
恐怖の追跡 ~あの人たちは今?~

牛丼限定復活

11日は神戸で仕事があって、昼は吉野家で食べようと決めていた。そこに、1日だけの牛丼限定復活。そういえば、あれから一年になる。100%の安全という、中東和平より実現不可能な幻想を追いかけるバカな役人どものとばっちりで、もう一年も経ってしまった。
たぶん、当日は行列ができるだろう。私は、列に並ぶということを酷く嫌う質なのだが、今回は喜んで並ぼうと思う。
さて、その日の昼。休みは2時間、余裕はたっぷりある。神戸のその店へは、地下街を抜けていく。階段を上がるとすぐ店が見える。ただ昼飯を食いに行くだけなのに、ドキドキしながら階段を上がっていく自分がいる。
売り切れていないだろうか。行列はどのくらいだろうか。牛丼は食えなくても、昼飯は食わねばならない。私は、ちょっと背伸び気味に階段を上がっていった。
店の前には、行列があった。15人ほどだろうか、中に続いている。私は、列の後ろに並んだ。店内は満席であった。通行人が、感嘆の声を上げながら通り過ぎていく。
しばらく待っているが、なかなか列が縮まらない。そのうち、列を無視して店内に入っていく客が現れた。あれ?と思って様子を見てみると、私の並んでいる列は持ち帰り客の列だったのだ。前の女性に確かめると、やはりそうだった。私は、ばつが悪そうに愛想笑いを振りまいて中に入った。
忙しそうな、いや、めちゃめちゃ忙しい店員を呼び止めて、大盛りを注文した。このために朝食を少し減らしてきたのだ。余談だが、私の行く店にはなぜか中国人の女の子が働いている。ここもそうだし、大阪のよく行く店もそうだ。やはり最近の日本の若者では、労働力として不適格なのだろうか。
程なく、目の前に丼が置かれた。一年ぶりの再会である。一口食べると、あとはもういつもの牛丼であった。そのいつもに比べれば、味のしみ具合は浅かったかもしれない。コクも薄かったかもしれない。が、それは紛れもなく吉野家の牛丼であった。
一年ぶりの牛丼。私は、いろんなところが満腹になって、店を出た。
アメリカの産業のためではなく、食肉業者のためではなく、ただ吉野家のためだけに、アメリカ産牛肉の早期輸入を切に願う。

MTJ #26

「スモーキンビリー」Thee Michelle Gun Elephant
惜しくも解散してしまったが、実は好きだったりする。畳み掛けるようなリズムとかきむしるようなギターが、ハマると気持ちいい。吸い過ぎには注意しよう。

「Snow Blind」野猿
企画ものとはいえ、こうも見事に作り込まれては恐れ入る。とんねるずの二人がまったくゲストに見えてしまう。もうみんな元の仕事に戻っていると思うが、いい思い出ができたと思う。CAちゃんは立派に照明の仕事してるんだろうな。

「Chocolate」Round Table
ピチカートマニアならきっとその耳が動くはずだ。初期パーフリや初期ピチカートを彷彿とさせるふわっとした欧風ポップスである。ホーンセクションなんかもうそのまんま。甘さ抑えた大人のスイーツという感じ。あーぜんざい食いてえ。

「君に届くまで」我那覇美奈
イントロがもう切ない。沖縄系ミュージシャンはとかく派手なイメージだが、彼女はしっとり歌い上げる力を持っている。なかなか評価されないが、青春映画でも撮ったらエンディングで流してやりたい。いい歌である。

四次元天体シミュレータ

国立天文台の研究機関が、立体的に表示できる天体シミュレータを発表した。サイトから無償でダウンロードして利用可能だ(WIN)。早速使ってみた。
立体表示なのでハイスペックが要求される。確かに、起動にだいぶ時間がかかった。お世辞にも愛想があるとは言えないが、起動が完了すると星空が表示された。マウスで掴んで引っ張ると、ぐるぐる星空が動く。おおー。
コマンドから「離陸・着陸」を選択して宇宙に出る。地球を見下ろす宇宙空間に出た。ここもマウスでぐりぐり動かせる。太陽系の惑星や、恒星、銀河系、パイオニアやボイジャーにも行くことができる。
まだまだベータ版なので、これからのバージョンアップが期待できる。リンク先へ行ってもらえればわかるが、こういうソフトを製作しているプロジェクトチームの作業場は、国立天文台のプレハブ棟なのだ。もうちょっと優遇してやれよ。
http://4d2u.nao.ac.jp/

MTJ #25

「Virtual Insanity」Jamiro Qwai
もう忘れられてるかもしれないが、嵩高い帽子を被って歌って踊るバンドである。何かと話題になるこのビデオだが、あれは壁とカメラを固定し、床だけが動くようになっている。単純な仕掛けだが、アイデア一つでこれだけ面白い映像ができるのだ。

「風のプリズム」広末涼子
アイドル冬の時代からようやく雪解けしたころである。ヒロスエくらいのビッグネームともなると、バックアップするアーティストもすごい。デビュー曲は竹内まりや、2曲目は岡本真夜、そしてこの曲はサザンの原由子である。前2曲と異なり、しっとりとしたアイドルソングになっている。大林チックな映像がよく似合う。

「Sky's The Limit」The Notorious B.I.G.
ラッパー同士の抗争に巻き込まれて亡くなったThe Notorious B.I.G.のメモリアルソングである。ヒップホップ系のアーティストビデオには、必ずといっていいほどグラマーなねえちゃんや高価な車が出てくる。でナンパしてソッポ向かれてどうのこうのというパターンがよくあるが、これは子供達がそれを演じている。一見するとただのかわいいビデオだが、事情を知っているとちょっと、泣けてくる。

「Spin Spin Sugar」Sneaker Pimps
色のどぎついパンキッシュなビデオである。曲はダウナー系でどよーんとした感じだが、ヴォーカルの女性が目の周りを真っ黒に塗ったメイクのせいか日本人に見えてちょっとかわいい。

琵琶湖レジャー利用適正化条例

この条例は、琵琶湖の生態系をブラックバスなどの外来種生物から守ろうというものである。この条例に対し、釣り好きが「魚釣りを自由に楽しむ権利を侵害し、違憲」として大津地裁に提訴していたが、裁判所は条例の違法性はないとして原告の訴えを退けた。
私は釣りをしない。そして、環境保護にうるさくもないが、この裁判は「釣りの楽しみ」と「琵琶湖の生態系並びに漁業関係者の利益」を天秤にかけたと言える。
まあ、なんと自分勝手な訴えだろうか。釣りが楽しめれば、琵琶湖の生態系などどうなってもいいということなのだ。
なぜ琵琶湖にブラックバスが増えたのか、確かに外来魚だけの問題ではない。湖岸開発による環境悪化、住宅排水による水質汚濁に、琵琶湖は長年晒されてきた。その中で、環境の変化に強い外来魚が生き残ったのかもしれない。しかし、外来魚は、人為的に琵琶湖に持ち込まれたものである。釣り好きなら胸に手を当ててよく考えて欲しい。
琵琶湖で釣りをしておきながら、その釣り場である琵琶湖の生態系についてなんら考えるところがないというのは、釣り人以前に、人間としてどうかと思う。
キャッチアンドリリースの精神を非難しているのではない。元々キャッチアンドリリースこそ、生態系を狂わせない釣り人の優しさであった。だが琵琶湖は違うのである。リリースすればするほど、生態系は崩れていくのである。
原告は、「もう釣りはできない」と言った。釣りをする人は、一般人より少しは自然や環境に関心があるはずである。そういう人々が、自然の生態系をさておいて自分達の楽しみを優先するとは、悲しい限りである。どうぞどうぞ、釣りはお止めいただきたい。それで少しは、琵琶湖の生態系がこれ以上悪くなるのを防げるのだから。