いつも公演は金曜日に行くので、何の気なしに金曜日に丸をつけてハガキを出した。
出してからよくよく考えてみると、その日はシティボーイズと重なっていて、もうチケットも取っていたのだ。
こりゃいかんとメールで希望日変更の旨を告げると、土曜日のチケットが送られてきた。いや、ありがたい。端っこだけどね。
・モルディブのギャル社長
絵のモデルをしている女性。社員旅行で来ている社長だという。
社員が気になってやってくるが、なぜか頑なに別行動を要求する。そのうち社歌まで歌いだす。
絵のモデルとは少し古臭いような。
・離島のタクシー待合所
皆既日食で離島にやってきた人達を迎える運転手。スピード違反で免停中。
島に二台しかないタクシーを待つ間、夢の話で盛り上がる。
方言ものは真骨頂。
・新人ホテルマン
音楽を聴きながらノリノリの新人ホテルマン。客から寒いというクレームが。
先輩の当てにならないアドバイスで対応するが、事態は好転しない。
そのうち客と意気投合し、いろいろ話をする。
今どきの若者ネタは今一つが多かったが、これはかなりいい。
どうも続きものらしいが、言葉足らずながら一生懸命対応する人物像に好感。
・断食道場
断食道場で若者に混じって一人気を吐く55歳。
断食の影響でだんだん壊れていく。最後にはとうとう痙攣が。
テンションで最後まで持っていくパターン。男の壊れ方がいい。
・けんたとおじいちゃん
孫と公園へ散歩にやってきた老人。なぜか人当たりが悪く、文句ばっかり言っている。
一人気を吐くものの、他人の優しさに触れて戸惑う。
傍若無人な老人キャラと、動きで見せた最後のシーンがよかった。
・迷子
巨大ショッピングモールに出店している化粧品屋。そこで働く女性。
迷子の女の子がやってきて、最初は邪険に扱うものの気になって相手をする。
短いネタだが、複雑なシチュエーションをよく表現している。
・ものまねサラリーマン
会議室へ呼び出された男。重役がずらっと揃っている中、社員のものまねをしろと言われる。
相手先へ謝りに行くためのシミュレーションらしいが、適当な人物がいない。
最後に自分の言葉で謝るが一番ダメだと言われる。
珍しい不条理ネタ。たくさんのキャラが出てくるのでかえって難しいかも。
・老ミュージシャン
デビュー77年の記念公演。30でデビューしたので御年107歳か。
看護婦さんに一日三曲しかダメだと言われているので三曲でおしまい。
歌ネタは、完全に歌披露のネタになってしまった。
全部新作だが、以前に比べると設定が複雑になっている気がする。
タイトルを付けるときにそう思うのだが、今までのように役職やキャラだけで付けられないのだ。
設定が複雑だと、それを分からせるのに時間がかかり、ネタに影響しかねない。客にも相当なスキルが要求される。
とはいえ、今まで観てきた中で今年が一番面白かったので、新ネタの試みは成功しているのではないだろうか。
まだまだ、イッセー尾形はとまらないようだ。
May.12,2007 京都府立文化芸術会館