怪奇大作戦セカンドファイル#1「ゼウスの銃爪」

ぶっちゃけていうと、オリジナルが凄すぎてあまり新作には期待していない。が、怪奇大作戦という私が生まれた頃のコンテンツに、未だにこうして目を向けている人々がたくさんいるということが素直に嬉しい。
さて、その新作だが、まず問題点を挙げておこう。
・牧とノムの見た目が区別つかない。
・エフェクトがあまりにもチープすぎる。
・プロット上、仕掛けにあまり重点が置かれていない。
キャスティングは発表当時から波紋を呼んでいた。私も正直首を捻った口だ。だが、まあそれに関しては大きな問題にはならなかったようだ。
女性がマイクロウェーブを受けて燃え上がるシーン、私はがっかりした。なんて安っぽい映像効果なんだ。21世紀の技術が、40年前のそれに完敗している。
シナリオはまあまあ及第点だった。だが、このコンテンツのメインともいえる怪奇の仕掛けにやや問題がある。
衛星兵器を使ったマイクロウェーブ発信機というのはまんざら目新しいものでもない。それを少年少女がハッキングして使うというのもそうだ。
怪奇大作戦の仕掛けの醍醐味というのは、町工場レベルでやってのけてしまうSFでなければならない。
決して地下組織や、工作員などといった、都合のいいファクターで処理すべきものではないのだ。
BSの放送では、この後「恐怖の電話」「死を呼ぶ電波」「かまいたち」を放送した。ファンとしては嬉しいが、この新作の後に類似ネタを扱っている「恐怖の電話」を持ってくるとは、ほとんど嫌がらせに近い。
そして、「かまいたち」である。目の肥えた視聴者なら、怪奇大作戦を知らなくても新作よりオリジナルに魅了されるのは間違いない。
怪奇に限ったことではないが、改めてシナリオの重要性を再認識させられる。