怪奇大作戦新シリーズは、実相寺監督も熱望していたらしい。この作品は、氏の遺稿でもある。
「うる星2ビューティフルドリーマー」を思い起こせるプロットと、静かに進む演出が威厳さえ感じさせる。
怪奇大作戦のSFプロットはいくつかある。1話のようにメカニカルなタイプや、この2話のような心霊的タイプなど。前者は巧妙な仕掛けや派手な演出が要求されがちだが、後者は心理的な描写、心情の機微を捉えた細やかな演出が要求される。
本作の演出北浦嗣巳は、実相寺監督の愛弟子とされている。奇しくもBSではこのあとに「京都買います」が放送され、ご本人にすれば何をしてくれんねん、というような心境だろうが、引けをとらないといったら言い過ぎにしろ、なかなか見応えのある作品に仕上がったと思う。