この時期、霞や黄砂などで天体観測には最も不向きなのだが、もしかすると分裂して大発光する彗星を見られるかもしれない。
シュワスマン-ワハマン第3彗星(以下SW3)は、最初に発見されて次の回帰まで半世紀も行方不明だった謎の彗星である。
近年の回帰でも、核の分裂が確認され、地球に来るたびにどんどんばらばらになっていく実に憐れな彗星だ。
今回の近地点通過は5月12日だが、月の影響で観測には不向きである。従って、国立天文台では連休中の観測キャンペーンを打ち出している。
SW3の位置だが、日没後にはもう東北東に上がっている。星座が分かる人はベガとアークトゥルスの真ん中付近を、よくわからない人は夏の大三角形を探し、短い辺を右に二倍延長した線上辺りに(5月1日現在)、ぼーっとした光が見つかればそれがSW3だ。
肉眼で見つけられたら、双眼鏡や望遠鏡で見てみよう。国立天文台では、観測レポートを受け付けている。詳しくは当該ページまで。
http://www.nao.ac.jp/phenomena/20060502/index.html