スマート1月へ


月を目指して探査に行くのではなく、探査が終わったから月へ落とされた。悲しい探査機の最期は少しだけ華々しかった。
ヨーロッパの宇宙開発を担う欧州宇宙機関(以下ESA)。そのESA初の月探査機として2003年に打ち上げられたのがスマート1だ。
イオンエンジンを搭載し、超省エネ飛行でゆっくりと月に到達、一年半に及ぶ月探査を行った。
任務を終えた探査機を月へ衝突させるのは、別に酔狂ではない。衝突時にも得られるデータはたくさんある。まさに捨て身の探査だ。
スマート1は、優秀の海に衝突、世界中の天文台がインパクトの観測に挑んだが、成功したのはどうやらカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡(ほんとにそんな名前)だけだったようだ。
何十年かして、きっとまたスマート1の名前が話題に上る日が来るだろう。これがあのスマート1の破片だと。