先のM-1グランプリ2005は、思わぬ伏兵と言っては失礼だが、ブラックマヨネーズが獲得した。関西芸人の底力を全国に知らしめたわけだが、下馬評でトップクラスだった南海キャンディーズは、まさかの最下位に沈んだ。その敗因は何か。
しずちゃんの予測不能なボケも、山ちゃんの的確なツッコミもいつもの調子だった。問題はネタの展開にあった。
漫才というのは、小さなネタの積み重ねである。ネタ振り、ボケ、ツッコミ、この1セットの繰り返しで笑いを作り上げ、客を盛り上げていく。
その1セットのネタを見る限りは問題ないのだが、そのネタが前後でつながっておらず、一つ一つで完結してしまっていたのだ。ラサール石井師匠が審査コメントで、ネタが並列化しているとおっしゃったが、まさにその通りである。
そのため、大オチに向けて盛り上げなければならないところが盛り上がらずに、尻すぼみの印象を強くした結果、笑いにもつながらなくなってしまったのだ。
対照的なのがブラックマヨネーズである。1セットのネタも面白ければ、それが次につながって更に大きくなり、笑いが増していく。ネタがつながっているので、次はどうなるんだろうという客の期待も沸き起こる。最初のネタのバイクのあたりは素晴らしい展開だ。
その結果、新参者でありながら未知の客をがっちりと掴んでグランプリへと突き進んだのである。
とはいえ、テレビ業界は南海キャンディーズを欲している。年末年始は出ずっぱりだそうだ。ブラマヨがますおかのようにならないことを祈るが。。。