「面白い」は褒め言葉

例えば、芸人の漫才やコントを観たとする。あなたは何と言うだろうか。きっと、面白いと言うだろう。しかし、この「面白い」という言葉は、関東と関西(というより、関西以外と関西)で大きく解釈が異なることをご存知だろうか。
芸人の舞台を見て「面白いねえ」と言うのは至極当たり前である。面白いんだから面白い。面白いから笑う。全くもって当然である。しかし、関西では違う。関西で言う「面白い(おもろい)」は感想ではなく、褒め言葉になるのだ。
実は、関西人はこの言葉を滅多に使わない。普通の人が面白がるレベルでは、「まあええんちゃう」であって、関西人が「おもろい」と言うときは、芸人のレベルが相当高い時である。例えば、ダウンタウンが久しぶりに漫才っぽいトークをしたときや、やすきよの漫才がテレビで流れたとき、「やっぱおもろいなー」と関西人はテレビの前で腕組みをするのである。しかも、その顔は笑っていない。むしろ顰めっ面だ。
このことは、関西人が全員、芸人のような気持ちでいることの現れである。関西人が「おもろい」と言うときは、「こいつらには勝たれへん」という(当たり前じゃ)賞賛と尊敬の念が込められているのである。
東京の芸人が、大阪の舞台は怖いとよく言う。当たり前である。客は笑いに来ているのではない。芸人が自分たちよりどれだけ面白いか、それを確かめに来ているのだから。

みかつう

ツイッターは@crescentwroksだよん

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