日本の自動車メーカーとモータースポーツ

モータースポーツもビジネスと言い切ってしまえばそれまでであるが、ブランドイメージのためには必要不可欠である。現に、各メーカーにはそれぞれ純正のスポルティングチューナーが存在する。トヨタのTRD、ニッサンのNISMO、ホンダの無限、ミツビシのラリーアート、マツダのマツダスピード、スバルのSTi、といった具合にだ。
ファミリーカーという基幹を守りつつ、一方でスポーティな車も提供する。走りを追求しない自動車メーカーはメーカーではない。というわけで、各メーカーのモータースポーツの現在について記しておく。
トヨタはご存知のように、F1のコンストラクターとしてフル参戦している。成績はまだ芳しくないが、今年辺りは初優勝も可能である。もちろんF1だけでなく、アメリカのIRLシリーズにも参戦している。
この他、JGTC(今年から国際レースに)、全日本F3など、トップ企業だけに入れ込みようはさすがである。また、富士スピードウェイを傘下に収めて大改修、F1開催を狙う。
ホンダは、いよいよF1コンストラクター参戦に向けての布石を打ち始めた。トヨタと同じくIRLにもフル参戦、世界のトップカテゴリーで凌ぎを削る。2輪もWGPやモトクロスなど世界レベルである。
鈴鹿、もてぎと二つのサーキットを所有し、人材の育成も盛んである。特に鈴鹿のSRS(鈴鹿レーシングスクール)は、佐藤琢磨を輩出したことでその存在価値が大きくアップした。ホンダとトヨタは、日本のモータースポーツにおいては牽引役である。
ミツビシは、やはりラリーである。67年のコルト1000Fからスタリオン、ギャラン、そしてランサーと、連綿と続く歴史を持っている。パリダカに代表されるクロスカントリーも盛んで、国内でもラリーやダートトライアルなどに参戦している。
スバルも同じく、ラリーの世界最高峰WRCに参戦している。WRCは昨年から悲願の日本開催ラウンドが行われているのだが、もう少し盛り上がってもいいようなものである。
マツダは現在メーカーとしてのモータースポーツ参戦はないが、ロードスターのワンメイクレースなど、地道な活動は続けている。マツダといえば思い出すのは91年のルマン、日本車としてマツダ787Bは初めて総合優勝を遂げた。あの時の感動は私も忘れられない。トヨタもニッサンもなし得なかった偉業を、マツダも忘れてはいないはずだ。
ダイハツは小規模ながらワンメイクやラリーなどの活動をしている。スズキはJWRCなど同じようにラリー中心だが、スズキといえばパイクスピークである。スズキスポーツの社長、モンスター田嶋こと田嶋伸博が、スズキ車をツインエンジンに改造、自らステアリングを握って優勝まで果たしている。
やはり会社の資本が大きいほど、モータースポーツにも投資できるわけだが、金をかければいいというものではない。モータースポーツで得られたものを製品にフィードバックしたり、単なる道具ではない、車で走ることの楽しさを伝えていくことが、企業にとっても我々にとっても重要なことなのだ。

みかつう

ツイッターは@crescentwroksだよん

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