京都の二映画館閉館へ

日本経済はデフレから脱却しつつあるようだが、弱者の淘汰は未だ静かに進んでいる。
京都に完成した松竹系の巨大シネコンは、全部で12のスクリーンを持つ。映画館12館分だ。松竹配給作品だけに限らず、他社の作品もかけている。
そのあおりを食らって、二つの映画館が閉館する。京都スカラ座と、京都宝塚劇場だ。
二つとも河原町通りに面しており、手書きの看板を掲げている唯一の映画館だ。ということは、看板絵描き職人の仕事も奪うことになるわけだ。
無くなると聞いてふと気がついたのだが、その映画館の近くを通るたびに、ああこんな映画やってるんだなと看板を見上げていた。あの看板は決してムダではないのだ。
たぶん表立ってそう問題にはならないのだろうが、これは大きな損失である。
シネコンとオフシアター、今後はこの二系統で共存していくのだろう。映画の都と言われる京都にも、寂しい風が吹き始めたということか。