王将 外環富田林店

大阪芸術大学は、大阪の南はずれにある。普通に生活していては、まず通らないような僻地にある。そこに大学がなければ、たぶん誰も行かないだろう。だが、そこで過ごした四年間は、たぶん人生で一番楽しかった時期ではないかと思う。まさに青春の日々であった。
寮生活は、それまでの生活にないものばかりであった。友人と夜通し遊ぶなど、中高生ではできないことだった(今は違うが)。家族中心の生活から、自分中心の生活に移った。はめを外すということはなかったが、もっと遊んでおけばよかったかなとも思う。
年間制作でつるんだ連中と、よく飯を食いに行ったのがタイトルの王将である。週に一度、年間制作の授業が終わって、男四人を一台の車に押し込んで(しかもトヨタのセラ!)、昼飯といえば王将だった。
大体決まって頼むのが、豚肉とキャベツのみそ炒めと鶏肉の香味揚げである。豚肉とキャベツのみそ炒めは、まあいわばホイコーロウであるが、甘めのみそダレが好みに合った。鶏肉の香味揚げは、確か梅肉のあん仕立てのソースがかかっていたような感じだった。酸味が効いてて癖になる味である。もちろん、一品ものはそれぞれ頼んだものをみんなでつつき合う。私はこれにチャーハンだったが、他の連中には天津飯が人気だった。
授業の話、映画の話、バイトの話、女の話。話は尽きなかった。食事した後は、ゲームセンターかバッティングセンターかボウリング場に行くというのがお決まりのコースだった。
毎週のように行くものだから、ある日いつも同じ女の子の店員が注文を取りに来るのに気づいた。まあまあかわいい程度の子だったが、注文票に「ようこ」と書いてあったのを見つけて、次から「ようこちゃんとこ行こうや」が王将へ行く隠語となった。ま、別にそれ以外大した話はない。今でも働いていたらびっくりするが。
8月1日、富田林では日本一の花火大会がある。私は一度だけ見たことがあるが、あれは花火ではない。火薬の量は小規模な紛争並みである。一度見れば、二十年は花火を見なくても済むだろう。それほどすごい花火大会である。付近一帯の道路を全て封鎖して行われるので、近鉄電車で。1km以上離れてご覧になることをお薦めする。

みかつう

ツイッターは@crescentwroksだよん

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