二郎さん天国へ、飛びます飛びます

坂上二郎さんが亡くなった。
コント55号は知らない世代だ。私はドリフで育った世代になる。
もちろん、欽ちゃんは知っているし、二郎さんも知っている。ただ、コント55号がどんなお笑いをやっていたかというのは知らない。
初めてちゃんと見たのは、二十歳過ぎくらいだろうか。再結成の話があって、昔のコントを放送したことがあった。
どんなものか見ておきたかったので、楽しみではあったが、そんなに面白いものではないだろうと、少し高をくくっていた。
大阪には新喜劇もあるし漫才もある。何より大阪人は、東京のお笑いに対して厳しい。
コント55号がどんなもんなのか、ちょっと上から目線だったのは否めない。
確かマラソンのネタだったと思う。私は腹を抱えて笑うことになった。私が知らない時代に、こんな面白いコントをやっていたのか。
他にも何本か見たが、日本中が熱狂したのがよくわかった。面白い。
よく引き合いに出されるその「飛びます飛びます」は、パイロットのコントだったろうか。マラソンかなんかの、「チーコ」も面白かった。
また観てみたい。そして、腹を抱えて笑いたい。

いとこいは永遠に

先日、喜味こいしさんが亡くなられた。兄のいとしさんが先に亡くなって、既にいとこい漫才は永遠の彼方だったので、追悼番組でもやらないものかと思っていたら、先日相次いで二番組が放送された。
中でも関テレは、私の大好きな「物売り」をフルスケールで放送してくれた。
いとこい漫才は、子守唄みたいなものだ。いつの間にか身体に染み込んで、聞くと心地よく、知らず知らずネタのフレーズを口ずさんでいたりする。
食卓にたけのこや松茸が並んだときに、その「物売り」のフレーズを口ずさんでいるのだ。
上方漫才の手本であり、大阪の文化であり、後世に継承していかねばならない、大切な財産でもある。
しかしいつ見てもおもろい。

M-1グランプリ2010

・カナリア
パターンの繰り返しによるダレが目立った。どっかにヤマがないと厳しい。
・ジャルジャル
らしさは出たが、やはり安定感に欠ける。コント職人のほうがいいかも。
・スリムクラブ
独特の空気感は素晴らしいものがある。それをうまく笑いにつなげている。
・銀シャリ
古臭い漫才でいいじゃないか。それを突き通せ。
・ナイツ
抜群の安定感。しかし、爆発力に欠けるところは否めない。
・笑い飯
鳥人並みによかった。9年もこの力を維持しているのはすごい。
・ハライチ
面白いんだが、もう一度見たいとは思えない。
・ピース
期待値が大きかった。もうちょっと面白いと思ったのだが。
・パンクブーブー
このネタはよくできているし面白い。前王者の面目躍如だろう。

ファイナル
パンクブーブーの失速は、吉本のチームオーダーと揶揄されてもおかしくない。
おかげで、スリムクラブと笑い飯の一騎打ちとなった。
スリムクラブは、初見の有利さもあって堅実に笑いを取った。どっちが受けたかといえば、僅差でスリムクラブだろう。笑い飯は明らかに少し失速していた。
今日一番面白いコンビは確かにスリムクラブだったかもしれない。
だが、最後のM-1王者の冠を戴くのに相応しいのはと考えたとき、それはやはり笑い飯だと思う。
M-1によって見出され、M-1によって育てられた笑い飯。彼らこそ、最後の王者に相応しい。
おめでとう。面白かった。

M-1 2010 みかつう的下馬評

まさか今年が最後になるとは。まあ、芸人ブームもとっくに終わってるし、来年のメンツを考えるとそれもいいかもしれない。

決勝進出者(ネタ順)
カナリア (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
ジャルジャル (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
スリムクラブ (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
銀シャリ (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
ナイツ (マセキ芸能社)
笑い飯 (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
ハライチ (ワタナベエンターテインメント)
ピース (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
敗者復活組

上り調子のピースは怖い存在だ。ハライチも調子を落とさずに残ってきた。
実力のあるナイツ、ジャルジャル、大阪では堅実な銀シャリ(人気はないが)。
カナリアや、初めて聞いたスリムクラブも侮れない。
敗者復活はモンスターエンジンを希望する。頼むから靴屋ネタやってくれ。
もう今年で最後だから、優勝は笑い飯でいいんじゃないかと思う。例え面白くなくても。
この10年、ずっと面白い漫才コンビなどそういない。
M-1を獲っても、漫才を忘れて他の仕事をしているコンビばかりだ。
確かにM-1は、面白い漫才コンビを決める番組だったが、それは却って優勝者から漫才を奪ってしまうことになっていたのだ。
中川家、ますだおかだ、フットボールアワー、アンタッチャブル、ブラックマヨネーズ、チュートリアル、サンドウィッチマン、NONSTYLE、パンクブーブー、彼らの漫才を最近見たのはいつだろう。いや、最後に見たのはいつだろう。
年末のお祭り騒ぎがなくなるのは寂しいが、来年、また違った形で何かあるに違いない。
紅白の漫才版、とかいうのもいいかもしれない。
決勝は26日。

審査の透明性向上(すればいいなあ

今年もM-1の季節がやってきた。
本命不在といわれる今年、その審査方法に大きな変更があった。
従来、作家や演出家で審査していた準決勝を、一般公開して審査しようというのだ。
これまでのM-1は、決勝進出組に?が付くことが多々あった。ハリセンボンしかり、素人コンビ然りだ。
あまり面白くなくても、大手プロダクションの無言の圧力や人気度を加味して審査されてしまい、そのために視聴者からも疑問の声が多く上がっていた。
これで多少は払拭されると思う。
R-1も同様に、決勝はトーナメント方式で行われるそうだ。こっちはもっと不審な審査だった。点数を公開しないなど言語道断だ。
しかしそれもこれも、本命不在というプロダクションのプッシュがないからできること、という裏話でなければいいのだが。

松本人志のコント MHK

あんまり期待はしていなかった。ごっつの終盤で、コントのプロットがだらだらし始め、締まりがなくなってテンポが落ちた。そしてそのままごっつは終わった。
たぶんそのまま変わってないんだろうなと思っていたら、その通りだった。
時間の短いコントを打ってくると思ったが、30分経って2本。セットに予算をかけるなら、もっと繰ってほしかった。
映画を撮ってからそれは顕著になったが、どうもコントの映像化ということに固執しすぎているような気がする。
「大日本人」は完全に劇場用ショートコントだったし、ごっつの終盤や、この番組もそうだ。
私は、コントは舞台ベースが基本で、それを脱すると演者と観客、テレビと視聴者の立ち位置が狂って、笑いに影響するんじゃないかと思うのだ。
小道具に凝るなどは愚の骨頂で、笑い以外の余計な要素は極力省くべきだ。
もしかすると、そんな旧態依然としたコントの枠からはみだそうとしているのかもしれないが、それには違う目線、異なる着地点へ行く必要があるのではないだろうか。
「何か面白いことをやってる」というのを客観的に見せるのがコントであり、まっちゃんのやり方は、見てるこっちを視覚的に引きずり込もうとする。それでは、こっちは笑えないのだ。
ごっつはごっつ。今のまっちゃんに昔のごっつを求めてもしょうがない。昔のビデオでもHDDに上げるか。

お口直しに

剣の道
アップロード者 Kobukuro. – プロ、大学やクラッシック戦などのスポーツ動画をもっと見る。

よしもと新喜劇「踊る!ラーメン戦争!」

関西人が毎週楽しみにしている昼下がりの新喜劇。
奇跡の43歳、高橋靖子ちゃん目当てで毎週チェックしているが、こないだ放送分は面白かった。
珍しく石田靖が座長で、水玉れっぷう隊が出ていた。ルミネで確かこんな布陣だったように思うが。
石田座長の周りへの引き立てっぷりもさることながら、水玉の二人が実に光っていた。とくにアキ。
ラーメン屋のオネエ系店員で、ちょっと意味不明のキャラだった。リモコンを全体的に貸して欲しいと借りに来たり、金のない客を「辛いからー」と断ったり、最後には水玉二人でダンスをする始末。芝居をみんな持っていった。
他にも、最近露出が多くなってきた松浦真也。ギターでいろんな曲を弾く。一芸に秀でていると役にも恵まれる。この芝居ではバイオリンの船越哲志と一緒に音楽ネタを披露していた。
それに絡んできたのがヒロくん。なぜか猫の格好。まゆげボーン久しぶりに見た。
水玉のケンも、ゴキブリの着ぐるみで舞台を走り回る。第一匍匐も披露。
ようやく演出家も使いどころを心得てきた、吉本最終兵器、今別府。こないだは辻本座長の龍馬ものでおりょう役がよかったが、今回は裸の大将風。
ランディーズの二人はすっかりストーリーテラーになってしまったが、あれでは出番がないのは仕方ない。
今回は水玉れっぷう隊の独壇場だった。また大阪でやってほしいし、劇場へ行きたいなと思わせる舞台だった。