とある番組で、神社に保管してある祭りの様子を記した昔の巻物が紹介されていた。
数メートルはあろうかというその巻物には、祭りの行列の様子が事細かに描かれていた。
続いて宮司さんが紹介したのは、同じような巻物だったが、今度は現代の祭りの様子が描かれていた。
そこには、警備員さんがいたり、車があったりと、ちょっと違和感があって興味深かった。
そこで、宮司さんの言葉にはっとした。
昔に書かれた巻物は、確かに現代に残っていて、後世に歴史を伝えている。
今、様々な記録媒体があるが、果たして、百年二百年、確実に記録を残せるものがあるだろうか。
フロッピーディスク、カセットテープ、ミニディスク、8mmビデオ、VHSビデオ、物は残っても、再生装置がない限りそれは記録を残したことにはならない。
巻物のようなアナログ装置が、実は後世に記録を残す上で最も有効な手段というのはどこか皮肉な話だ。
今、ネット上に様々な情報が記録されているが、果たして残す意味のある情報はあるのだろうか。