節分だ。幼稚園に鬼がやってきて、子供たちが豆をまいている映像がテレビで流れた。
その鬼が妙にリアルで、子供たちがわんわん泣きながら豆をぶつけている。
番組に出ていたタレントから、かわいそうだという声が聞こえた。
確かにそうかもしれない。傍目に見れば、鬼で脅かしているようなものだ。
しかし、それこそが現代社会に必要なのではないだろうかと、最近特に思う。
近年、節分のような伝統的な行事に関心が薄れている。子供たちが精神的に不安定であったり、成長しないのは、情操教育の欠如が原因であると思うのだ。
かつてそれを担っていたのが、節分のような伝統的、宗教的な行事であり、そういう行事に触れることが少なくなったことで、子供たちがおかしくなっていったのではないだろうか。
そこには、地域との結びつきや、近所付き合いの有無などの複合要素も関わり、代替手段を模索せぬまま、今に至ってしまったことも要因の一つだろう。
大人たちの勝手な思惑で、いろんなものを失って育った子供たちが今、その大人たちに復讐している、ように思えてならない。