男女7人夏物語研究:第1話「今晩、おヒマ?」

再放送記念ということで、HDDにも録画できたので、師と仰ぐ鎌田敏夫脚本を徹底研究したいと思う。

#オープニング
夏らしい花火から始まるオープニング。続いて、このドラマに欠かせない清洲橋が映し出される。
後に説明があるが、主人公の二人は橋を挟んで向かい同士に暮らしている。
橋は重要なメタファーとなって、ドラマの進行を左右している。
高速を行き交う車や、街行く人々。都会に暮らす男女7人の物語が、これから始まる。

#シーン1:良介の部屋
良介と桃子、二人の出会いのシーンだ。
隅田川に架かる清洲橋からのファーストカット。
冒頭、良介は野上に電話する。その会話で、互いの人となりが大まかに説明されている。
野上は、後ろを通りかかった同僚女性に「今晩ヒマ?」と声をかけ、彼がプレイボーイだということを説明している。
また、良介と野上がかなり親しい友人だということもわかる。どういう関係かはまだ説明されていないが、プライベートで頻繁に互いの職場に電話をかけるなど、親交が深いことがわかる。
そして、部屋に戻った良介は、目覚ましで起き出した桃子と目を合わせる。男女の出会いとしては最悪だろう。
お互いに昨夜の顛末を言い合う二人。かなり食い違うが正しいのは良介。
このシーンで、良介と桃子の台詞がシンクロしているところがあるが、おわかりだろうか。
昨日の記憶を辿っていくところで、互いに「行った・・・ような気がする」という同じ台詞を口にしているのだ。これはこれからの展開を予想する上で非常に重要な台詞だ。
桃子の性格もここで描写されている。自分勝手なところ、いい加減なところ、仕事熱心なところ、彼女の職業も自身の口から説明がある。
慌てて洗面所へ行った桃子が見つけた化粧品は、後の大きな伏線になる。
あちこちに長距離電話をかけて、桃子はそそくさと仕事に向かう。今から沖縄へ行くのだが、これも次シーンへの伏線になっている。
このシーンで一つ気付いたのだが、良介の性格描写が他と比べて希薄なのだ。
これは思うに、明石家さんまという強烈な個性を持った人物に対して、特定の性格を持ったキャラクターを演じさせるより、本人そのもののキャラクターを登場させ、性格も本人に則った形で設定して、描写を希薄にしたというよりは、視聴者に良介の性格設定を依存したのかもしれない。
そのほうが、視聴者としてはさんま良介に感情移入しやすいはずだ。あまりさんまさんと乖離したキャラクターでないのもそのためだ。

#シーン2:コンサート会場
会場前でドレスアップした女性が三人。桃子の名前を挙げているところから、彼女の友人だということがわかる。そしてこの三人、特定の彼氏はいないようだ。
このコンサートに来た目的は、そのまま彼女達の関係説明にもなっている。
妻子持ちの男性と付き合っている沢田香里。恋愛に執着し、男に騙されやすいのだろう。
そんな香里の世話を焼く浅倉千明。自分のことはさておいて他人の世話をする姉御肌。
男なら誰でもいい椎名美和子は、賑やかし的な存在だ。余談だが、劇中で「椎名」という苗字は台詞で一度も出なかったような。
会場で桃子を待つ三人。チケットは桃子が持っているようだ。しかし桃子は、沖縄に行ったはず。それがわかった三人は、なんとか会場に入ろうとするが。。。
出演こそないが、ここでも桃子のいい加減な性格が表れている。

長くなりそうなので、一旦CM。