IAU(国際天文学連合)は、今年度の総会で冥王星を太陽系から除外し、惑星を8個とする決定を下した。
なんともすごい話だ。
会議当初、小惑星のセレス(ケレス)や、冥王星の衛星カロン、さらに、エッジワースカイパーベルト天体と呼ばれる冥王星以遠の小惑星帯で発見された、2003UB313の三つを太陽系の惑星とする案が提出されていた。
報道ステーションで古館氏が、その案はアメリカのごり押しだと訝しんでいたが、IAUに米帝のごり押しなど通用しない。宇宙に関わるというのはそういうことなのだ。
これで、冥王星は惑星から降格、新たにドワーフプラネット(矮惑星)という分類に充てられた。さらにこのドワーフプラネットは、トランス・ネプチュニアン天体(エッジワースカイパーベルト天体と同意)の典型例の一つ、というふうに位置づけられた。
つまり、太陽系は太陽を中心に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星という惑星があり、海王星以遠には小惑星帯(トランス・ネプチュニアン天体)があって、その中にドワーフプラネットである冥王星がある、となる。
更に、太陽系の惑星以外の天体、トランス・ネプチュニアン天体や彗星、小天体を総称して、スモールソーラーシステムバディーズ(太陽系小天体群とでも訳すのか?)と呼ばれることになる。
冥王星が失格した惑星の定義は(以下引用)、
(a) 太陽の周りを回り、
(b)十分大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、
(c) その軌道の近くでは他の天体を掃き散らしてしまいそれだけが際だって目立つようになった天体である。
となった。
冥王星は大きすぎる衛星を持つため(c)に合致せず、失格となった。セレスも周りに同じような小惑星があるため、惑星とはいえない。2003UB313も同様だ。
さあ、困ったのは教育界と、占いだ。ま、増えなくてよかったと思っているほうが多数だと思うが。