大阪の某所に昆布屋がある。仕事帰りによく店の前を通るが、もちろん中に入ったり物を買ったりはしない。造りは比較的新しく、老舗というような店構えではない。立地はあまりよくないが、官庁街のど真ん中にあるので人通りは多く、それなりに客も入るだろう。
その昆布屋、店先にワゴンのようなものがあって、そこにも商品を並べている。小さな不透明のプラスチック容器に入った試食用の商品まで置いてある。
いつも夕方に通るのだが、その店は西に面しており、西日が思いっきり店先に当たる。もちろん、ワゴンや試食用の商品にもだ。太陽は、容赦なく店先を照らす。ワゴンに置かれた昆布は、直射日光に晒され続けている。
誰か、試食した人はいるのだろうか。
夏場などは、プラスチックの容器にうっすら水滴のようなものまで見えるというのに。
何か言ったほうがいいのだろうか。今日も私は店先を横目で見て通り過ぎる。