特別編成ということだが、全部のネタにテロップが入っているわけではなかった。これはどうなんだろうか。まさか、私が放送を観るから付けなかったのか。
改めて、テロップの問題について言及する。
今回、私は初めてお笑い芸人のテロップ付きネタを観たわけだが、ちゃんと日本語で聞こえているにもかかわらず、下に同じ内容のテロップを流すという、非常にばかげた手間のかかることをやっている。
私の場合、それが例えアラビア語であってもテロップや字幕というものを反射的に見てしまうので、非常に観づらい。正直、いつもここからの時はほとんどネタが頭に入っていなかった。
それに、これが最大の理由だが、テロップに目をやっている間、芸人の所作が見えない。テロップに気をとられ、芸人の動きや表情がわからないのだ。これは致命的な欠陥である。
どこかの書き込みにあったが、テロップがなければ面白さ半減、とあった。考えてみて欲しい。芸人は、テレビだけで仕事をしているのではない。舞台や営業での仕事で切磋琢磨して、ようやくテレビに出られるのである。舞台ではテロップは流れない。面白さが半減したその芸人はどうやって飯を食っていくのだろう。「テレビのほうが面白い」とは、芸人にとっては死を意味している。そこで着物着てギター弾いている人は、自分の置かれている立場をもう一度よく考えてみてほしい。
今回、テロップの出た芸人と出てない芸人が真っ二つに分かれた。私は、全てのネタに頻度こそあれ、テロップを出すものだと思っていたが、そこは少し安心した。CMぶった切りも、もうしてないようだ。もしやっていたら、ここでその極悪スポンサーを紹介するつもりだったが。
やはり制作サイドはフォローの意味でテロップを入れているような気がした。コンビは入れないのか思ったら、青木さやかはなかったし、吉本芸人は入れないのかと思ったら、陣内には思いっきり入った。陣内以外は、分別があったように思う。とはいえ、ネタにテロップを入れるというのはネタ潰し以外の何物でもない。
面白くない芸人もいるだろうが、芸人は客の笑いで育ち、客は芸人のネタで育つ。「エンタの神様」はそのプロセスを全く無視している。これがお笑い番組と言えるだろうか。
結論として、「エンタの神様」は、わかってないスタッフがわかってない視聴者にお笑いを見せる番組、ということである。わかってないもん同士、仲良くやってくれ。また芸人を冒涜するようなことがあれば、こちらはいつでも糾弾する用意がある。ネットの恐ろしさは、よくわかっているはずだ。
五味さん、あんたの親切は大きなお世話なんだよ。
華氏911
映画は観ていない。たぶん観ないと思う。観ていない映画について書くのは気が引けるが、少し書き留めておきたい。
まず一つ。映画は総合芸術である。絵画や音楽のように、人の心を打つ芸術である。それは時代を超えてなお、人々を感動させるものである。
十年、二十年、五十年、百年経って、誰がこの映画を観るのか。ブッシュ、誰?。アカデミーはともかく、カンヌまでこの映画に賛美を贈ってしまった。カンヌも底が知れてきた。
二つ目。ドキュメンタリーはノンフィクションではない。ドキュメンタリーは事実でもない。人の目が、手が入ることによって、それは演出された映像になる。私の目が、あなたの目が見たものこそが事実であって、私の目が見たものは、あなたにとって事実ではないのだ。
ちょっとスケールの大きな、ワイドショーの特集VTRみたいな映像が、映画として君臨する。レイ・ブラッドベリの素晴らしい小説のタイトルをおちょくって。
小津安二郎や、黒澤明と同列に、マイケル・ムーアが並び称されるほど、口惜しいものはない。
CLOUDBERRY JAM 「Blank Paycheck」
何かで録画した番組に、無性に気になる曲があった。人にも聴かせたりしたが、全然わからなかった。当時、カーディガンズを始めとするスウェディッシュポップが台頭していて、なんとなく曲調が似ていたので当たりをつけて探していたが、なかなか見つからなかった。
そんなある日、とても似ている曲調のアルバムを見つけた。忘れもしない、大阪阿倍野のHMVだった。探している曲はなかったが、かなり似ていたので、一枚前のアルバムを買ってみた。ビンゴ。
音は確かにチープかもしれないが、三分間の中に一杯詰まった良質のポップサウンドである。少しトーンが低いヴォーカルも無理に弾けることなく落ち着いて聴かせてくれる。
バンドは解散していたらしいが、今年また再結成し、つい先日日本でライヴもやったそうだ。少し音を聴いたが、なんとなく落ち着いたというか、丸くなったというか、いい意味で大人のサウンドになっている。興味のある方は公式サイトへ。
クラウドベリージャム 公式ウェブサイト http://www.cloudberryjam.se/
NONSCD14 NONS 1995
夢を諦めた芸人達
継続は力なりと言うのは容易い。しかし、そこにはいろんな事情もあるだろう。みんな最後には笑いたかったはずだ。惜しまれたかどうかは知らないが少なくとも私はそう思った、今は無きお笑い芸人達を書き留めておく。
ジャリズム
NSC10期生の渡辺鐘(あつむ)と山下栄緑(しげのり)が、91年に組んだコンビ。コントをメインに、渡辺の癖のあるボケキャラを山下が鋭く突っ込む。
ダウンタウン後の2丁目を千原兄弟とともに引っ張っていったが、98年に解散。渡辺は構成作家として活躍、山下はダウンタウン松本の舎弟に転がり込む。今年、コンビを復活したそうだが、昔のキレはなかった。バカドールシアターは必見の価値あり(メディア化求む)。
ぴのっきお
チャンバラトリオの山根伸介を師匠に持つ新井正浩(タコ)と、いかりや長介に弟子入りしたことがある清水共一(清水)が、88年に組んだコンビ。しゃべくり漫才が基本だが、ネタ後半にショートコントを挟む。このショートコントが秀逸。清水のラジカルなボケが鋭く、若手芸人にも人気があった。
残念ながら2000年に解散、清水はその後吉本新喜劇に入って活動している。
みのなが
NSC11期生の美濃昌樹と長岡大祐(ゆうすけ)が92年に組んだコンビ。しゃべくり漫才の王道を歩み、将来はオール阪神巨人クラスにも成り得る実力派だったが、2000年に突然解散。二人とも引退した。確かに花はなかったが、漫才の腕はあっただけに惜しい解散である。
誉
NSC10期生の遠藤敬と宇野誠が91年に組んだコンビ。2丁目劇場を中心に、宇野のシュールで不敵なキャラと遠藤の緻密なネタで人気を博した。だがコンビ仲の悪さは公然の秘密で(実際オンエアにもバンバン乗った)、それが災いして97年に解散した。宇野は引退、遠藤は作家として活躍している。
スミス夫人
NSC8期生の灘儀武と松村博司が89年に組んだコンビ。松村の強烈でアクの強いキャラと、灘儀のやたらテンションの高いツッコミで舞台を狂わせ惑わせた。松村のキャラはハンパではない。トークでもあまり地を出さず、ある種不気味な存在でもあった。ということはあれが地なのか。
01年に解散、灘儀はTHE PLAN9として活躍中。
プラスチックゴーゴー
NSC10期生の南郷和幸と蓮見正雄が91年に組んだコンビ。若さに任せたスピーディな秒殺ショートコントがよかった。勢いに乗っていくかと思われたが、97年に解散した。
蓮見は現在作家として、南郷は南郷伯爵としてピンで活動中。
しましまんず
記事を書こうと思ったらまだ解散してないようだ。お詫びに藤井さんの公式サイトを(FLASH必見)。
http://www.nocturne-jp.com/fujii_teruo/
夢を諦めたとはいえ、作家に転向する者も多く、やはりお笑いを捨てきれないのだろう。そう、一度芸人を目指したからには、カタギには戻れないのだ。
すいか
今年は2回ほど食べたが、甘くておいしかった。高温少雨できっとよくできたのだろう。まだまだ暑そうだからもう一回くらい食べたいものだ。
果物屋やスーパーで、小玉のすいかがやたら目につくが、少子化、核家族を反映してよく売れているそうだ。確かに、大きなすいか丸々一個では持て余すかもしれないが、かといって小玉のすいかをちまちま食べても、夏の醍醐味は半減するのではないか。
半月型に切ったすいかを、口の周りべたべたにしながらかぶりつくのがすいかというものである。それが夏というものである。いくらライフスタイルが変わったからといって、季節の感じ方まで変えるというのはどうだろうか。
なんかこう、安易な考え方というか、思考の伴わない選択が増えているような気がする。尤も、年を追うごとに季節感がだんだんなくなってきているのは否めないが。
ついでにひとつ。すいかにまだ塩をかけて食べている方、もうそろそろおやめになったほうが。

加藤いづみ 「星になった涙」
人間の出会いもそうだが、音との出会いもまさに一期一会である。逃せばもう永遠に出会うことはない。加藤いづみとの出会いは、ふいに目覚めた朝の情報番組である。いつもなら昼近くまで起きているのに、その日はなぜか目が覚めてしまい、テレビをつけた。そこで歌っていたのが加藤いづみだった。
切ないメロディーと彼女の声が気に入って、そのままCDを買いに行った。全曲通してミディアムかスロー、悪く言えば暗い、ダウナー系のサウンドだったが、加藤いづみのアイデンティティがしっかりと音の中にあった。それは、プロデューサー高橋研の手腕でもあった。
中村あゆみをスターダムに押し上げ、数々のサウンドプロデュースを行ってきた彼なくしては、加藤いづみも存在し得なかっただろう。一時期、サウンドがポップに傾いたアルバムがあったが、やはり加藤いづみはダウナー系がいい。ご本人はとても明るくかわいい女性であるので誤解のないように。
情報収集で公式サイトに久々に立ち寄ったが、大きな瞳と丸い頬にぐさっとやられた。たぶん同じ歳だったと思うが、昔と全然変わらず実にかわいい女性である。
加藤いづみ 公式ウェブサイト http://www.katoizumi.com/
PCCA-00374 SEE・SAW 19920619
MATT BIANCO 「SAMBA IN YOUR CASA」
日産のティアナという車があるのだが、そのコマーシャルソングに、このアルバムに収録されている「What a fool beleaves」が使われている。ドゥービーブラザーズのカヴァー曲なのだが、オリジナルよりしっとり聴かせてくれる。マットビアンコらしくないといえばそうだが、ノリノリな曲ばかりではないのも間口の広さを窺わせる。
このアルバムを買ったのは、トップチューンの「You're the rhythm」のビデオを観てから。まだヒップホップがミュージックシーンを席巻する前、ダンスミュージックと言えばユーロビートだった頃だ。
ラテン系のフレーヴァーを取り入れたサウンドは、今やマットビアンコというジャンルを作り上げてしまった。口にするのは気が引けるが、お洒落なソウルサウンドという触れ込みで、息の長い人気を誇っている。
日本にもよくツアーで来日するが、大阪ミナミのクラブに毎回お忍びでやってくるのは本当らしい。私はそんなキャラクターじゃないので、指をくわえて「へえ」と言うしかないが。
今、最新の情報をググったら、顎がはずれた。なんと、オリジナルメンバーが復活している。そう、あのバーシアもだ。詳しくはリンク先を見ていただきたい。あーびっくりした。
マットビアンコ 公式ウェブサイト http://www.emarcy.com/bianco/
WMC5-447 WEA 19911128