耐熱フィルム

ガンダムはそれこそテープが擦り切れるほど見ているが、今回見るのはそれでも10年ぶりくらいだろうか。アニマックスで絶賛放送中だ。
当時としては、SF考証はそれなりにきっちり作られていたほうで、スペースコロニーやモビルスーツなどはなかなか先見の明であった。
とはいえ、子供向けのアニメである。穴はそこら中にあるもので、その最たるものが耐熱フィルムだ。
大気圏突入時にシャアに襲われ、ホワイトベースに帰還できずにあわや大気の摩擦熱で燃え尽きるのか、というときに、あろうことかガンダムはへその下からその耐熱フィルムを出してきたのだ。
大気圏突入時といえば、相当なスピードが出ている。そんな最中にフィルム状のひらひらしたものを出して被るのだ。
ガンダムは全高18m、それが隠れるフィルムなら相当な大きさだ。恐らく一辺が倍くらいの40m四方くらいはあるだろう。
そんなものをへその下に隠しているわけだ。
フィルムが飛んでいったらどうするつもりなんだろう。アンテナみたいな尖ったもので破れたりはしないのだろうか。
想像するだけで面白い。予備も持ってたりして。

ルパン三世 血の刻印 〜永遠のMermaid〜

ちょっと遅くなったが、新ルパンだ。
今年のテレビシリーズから、不二子と五右衛門、そして銭形警部のキャストが変更になった。
三人それぞれ、違和感という意味では皆無である。詳しくない人は変更されたことすら気付かないだろう。
特に銭形警部という重圧をその実力で見事に演じ切った山ちゃんには敬服する。さすがだ。
五右衛門はもともと口数が少なく、三人の中では条件的に不利なのだが、今後の五右衛門を任せるに充分である。
不二子ちゃんは下馬評段階で既に賞賛の嵐だったが、私は今ひとつという印象を受けた。
新キャストが今ひとつというわけではない。それほど、増山さんがすごいということなのだ。
親子以上に年が離れている(たぶん)にもかかわらず、色気は増山さんのほうが断然上である。
若さ=色気ではないということを、不二子ちゃんは教えてくれたのだ。
とはいえ、三人とも視聴者のお墨付きは得たはずだ。今後のルパンに期待しよう。

WOWOWでボトムズ

妹がブルーレイを買って、そういうデジタルAV機器を買ったら、その日から一週間はBS、CSの放送が無料になるので、ラッキーなことにWOWOWでボトムズをやっていた。
テレビ再編集の4部作、オリジナルの3部作、赫奕と孤影再びと幻影篇まで見られた。残念ながら異世界ボトムズは見られなかった。
やはりというか、マーティアル編は総じてイマイチ感は否めない。
テイタニアも扱いが中途半端だし、ロッチナは全く面影がないから「誰?」状態だし、ジュノもいてもいなくてもいい扱いだし、しかも幻影篇のラストカットはゾフィーばあさんときた。
個人的にはテレビの最終回を時系列の最後として、テレビシリーズの話を隙間を書くような話が好きだ。
往々にしてこういう展開もスポンサーのごり押しだろう。監督がいくら決めたところで、スポンサーには勝てない。
ファンとしては新作は嬉しいが、作品世界がだんだん壊れていくのを見るのは忍びないと、もうガンダムで散々言ってきたはずだがバンダイさんよ。

ルパン三世声優陣変更

けっこう唐突な話だ。そういえば、前回のテレビスペシャルのときに、銭形警部が最後のどうのとか言っていたような気がするが、まあそういうことだったのだろう。
今回は、ルパンと次元以外の声優が変更になる。
五右衛門は浪川大輔、不二子は沢城みゆき、そして銭形警部は山ちゃんこと山寺宏一、年末のスペシャルからの変更となる。
Youtubeにパチンコ関係のムービーで、この新声優陣で当てている分が上がっているので早速チェックしてみた。
三人とも全く違和感がない。違和感がないというのは、前任者と似ている、という点においてだ。
ネット上では、沢城みゆきを賞賛する声が上がっている。確かに、昔の増山さんの声に似ていて、若返ったような感じだ。
今回は次元が据え置きとなっているが、たぶん見つからなかったのだと思う。
小林さんがそれだけ替えのきかない素晴らしいお仕事をしているからなのだが、それは返して言えば若手の不甲斐ない現状を表している。声優界の今後の課題でもある。
しかしなんだかんだ言いながら、みんなルパンが好きなんだねえ。

『009 RE:CYBORG』製作発表PV

もちろん攻殻は好きだし、神山監督も好きだが、最新作が009などと、今更何を言ってるんだろうかと気にも留めなかった。
そんな古臭いコンテンツを焼きなおすくらいなら、攻殻の新作をやってくれ、と思っていた。
いやあ、見事に裏切られた。
これは009の名を借りた攻殻の新作だと言ってもいいかもしれない(違うけど
神山テイスト満載の009に、度肝を抜かれてしまった。ここまでするか。
とりあえずハインリッヒが死ぬほどかっこいい。

見ろ。さもなくば死ね。

芦田豊雄

また一人、80年代アニメを支えた重鎮が亡くなった。
ミンキーモモ、バイファム、ガラットなどのキャラクターデザイン、北斗の拳では演出、アラレちゃんはメインの作画監督、日本アニメ界のまさに一角を支えてきた偉大なアニメーターだ。
直筆原画は味のあるタッチで、ミンキーモモなどはおよそ似つかわしくないのだが、メイン作監のわたなべ氏より私は芦田さんの書くモモのほうが好きだ。
さて、未来の日本アニメを支えていく後継者は育っているのだろうか。
芦田さんや金田さんのようなカリスマアニメーターが、今いるのだろうか。
がんばれ、若い奴。

はぁ~どすこいどすこい

ファースト世代はこれで安心して死ねる

機動戦士ガンダム・THE ORIGINのアニメ化が正式に発表された。
私はこの作品を知らないが、安彦氏が描いているマンガの連載だということ、テレビシリーズの一年戦争を下敷きにしたストーリーだということは理解している。
ガンダムは、最初の放送以来、様々な派生作品が生まれ、30年以上連綿と世代を越えて受け継がれてきた作品だ。
しかし、それは必ずしもいいことではなかった。
スポンサーはガンダムを食い物にし、蛇足的な作品を次々と送り出してきた。
同じように、ファンもまただらだらとそれを受け止め、結果としてガンダムという作品は、原型を留めないほどに支離滅裂になってしまったのだ。
いわゆるファーストガンダム信奉者は、少なからずこの事態を憂慮し、肥大したガンダムに何らかの決着をつける必要を、私を含めて多くの人が感じていたはずだ。
それが、このオリジンのアニメ化で成就することになるかもしれない。
最良の決着は今の製作技術でのリメイクだが、それが事実上無理である以上、これはそれに次ぐ最良の方法であると思う。
まだ具体的な制作体制、放送媒体に関しては決まっていないが、最低でも2クール26話の製作を希望して止まない。できれば一年やってほしい。
最後のガンダムにしてくれなどとは言わない。たぶん、今後もガンダムと呼ばれる作品は続くだろう。
しかし、私が試聴するガンダムという作品は、これで最後にしたい。ファースト世代はそれまで生き延びろ。