興行収入において、21年ぶりに邦画が洋画を抜いたそうだ。
斜陽と呼ばれて久しい映画業界にとって喜ばしいニュースには違いないが、手放しで喜んでばかりもいられない。
ハリウッドが慢性的なコンテンツ不足に陥っていることは、数年前から顕著であった。
ヒット作のシリーズ化はもとより、日本やアジアでヒットした映画のリメイクなど、膨大な製作費をペイできないことを恐れて、皮算用を確実にするためになりふり構わぬ態度をとってきた。
幸い、まだ日本にはクリエイティビティなスタッフが揃っているので、ハリウッドの二の舞にはならないだろう。
しかし、昨今制作されている映画は、スケールの小さいものが多く、芸術的な作品も皆無である。つまり、テレビの延長のような映画が多すぎるのだ。
1800円も払って、テレビの延長のような映画を観るつもりはない。
興行収入が増えたからといって、日本映画が面白くなっているかと言えば、NOだ。調子に乗ってあぐらを決め込んでしまえば、またつまらない時代に逆戻りだ。
結局去年は1本しか観なかった。今年はもう少しは増えそうだが、そろそろ作る側に回る頃なのだろうか。