懐かしいフレーズと、懐かしい顔ぶれがCMの中にあった。この曲、CDいつ出るんだろうと思っていたら、限定配信だった。
YMOの曲を配信で手に入れる。テクノの真髄のような気がした。
生音を使ったサウンドは、どこか寂しげだが、大人の雰囲気である。
小遣いを貯めて近所のレコード屋で初めて買ったアルバムは、ソリッドステイトサヴァイヴァーだった。10歳だ。あの頃の尖ったような感じはないが、これは紛れもなくライディーンである。
まさかこんな不意にYMOの新曲が聴けるとは思っていなかったが、そこには何かピリオドのようなものを感じえてならない。
YMOら幾多のアーティストが旗手となって広まったテクノポップは、やがて時代の必然となって全世界へ浸透していった。
私も、初めて聴いたあの日から、この曲のフレーズはずっと体のどこかで響いている。
しかし新録されたこの曲は、そんな我々にお別れを言っているような気がしてならない。
ずっと聴いていてくれてありがとう。もう僕らができることは何もない。今度は君たちが僕らに見せてくれる番だ、と。
聴けば聴くほど、そう思う。