パート2がオリジナルを上回ることはあり得ない。あり得ないが、このドラマは続編としてオリジナルを上回る完成度を持った。
オープニングからしてそれを物語っている。35mmフィルムで撮影された、7人の登場人物の後姿。これから起こる新たな物語を予感させる。私は放送当時芸術系の大学にいたのだが、あのオープニングすごいなという話題で持ちきりであった。
前作では持て余した感のあるキャラクターだったが、続編ということで関係説明が省けた分、7人が完璧にシナリオの上を転がった。
続編ならではの前作パロディ(コインランドリーのチンピラ)や、今はもう廃止されてしまった川崎-木更津間のフェリーでのロケ。前作は川だったが、今度は東京湾を跨いだ恋物語が展開される。
鎌田氏は、続編など全く作る気はなかったらしい。ところが、視聴者からの素朴な質問に答える形で、続編の制作が決定したそうだ。
結果として、男女7人シリーズは後にトレンディドラマという若者の恋愛ドラマのパイオニアとなり、良くも悪くもいろんなテレビドラマが制作されていった。
やはり、上っ面だけのドラマは消え、シナリオの優れた作品は後世に残る。たった1クールの放送で、これだけ人々の心に残っているテレビドラマは、他にないだろう。