スポンサーの責任

「明日、ママがいない」というドラマが話題になっている。
私は見ていないが、ネットニュースによると、このドラマで描かれている児童養護施設が差別的らしい。
そのため、各方面から批判が相次ぎ、スポンサーが全降板するという非常事態になっている。
ドラマはフィクションであり、差別や偏見はドラマのせいではない。それは人の心に巣食っているものがドラマをきっかけに頭をもたげているだけだ。
私が一番問題だと思うのは、批判が殺到してからすっと引っ込むスポンサーの無責任さだ。
ひいては、広告代理店の無責任さである。
ドラマの制作時に、その内容はある程度は説明されているはずである。
あるいは、このドラマには芦田愛菜ちゃんが出ているから数字取れますよ、的な、ドラマの内容よりそういった類の説明しかなされていないのだろうか。
テレビは既に、コンテンツとしては終焉に達している。
いつまでもこんなことを続けていては、いや、いっそのことここでテレビにとどめを刺した方がいいのかもしれない。

京都殺人案内32

藤田まことさんの遺作が、必殺でもはぐれ刑事でもなく、音川刑事だということに、私は少なからず嬉しさを感じる。
元はといえば、はぐれ刑事のベースになったのは、この音川刑事なのだ(と思う)。
傘を忘れたばっかりに愛妻を失ってから、常に折り畳み傘を持ち歩く音川刑事。
クロード・チアリのギターが流れ、音川刑事がユリカモメの飛び交う鴨川を歩けば、もうそれだけでお腹いっぱいだ。
太秦との関わりも深い藤田さんだけあって、このシリーズも長年松竹京都映画が製作してきた。京都を知り尽くしたスタッフが映像を作り上げる。
欲を言えば、フィルムで撮って欲しかった。京都映画の真髄はフィルムからビデオに替わった時点で、実は潰えている。京都殺人案内を、あんなかっちりしたビデオで、ましてやHDなんかで撮られてはその魅力は半減する。
必殺もそうだが、あの光と影の演出は、光学的に処理するフィルムの曖昧さだけが出せる味わいで、電気的に画面の隅々までクリアに表現するビデオでは無理なのだ。
だが、時代はそうも言ってられない。今後、テレビドラマがフィルムで撮られることは、もうないだろう。
昭和の名優とともに、その映像もまた、三途の向こうへ流れていく。
音川さん、折り畳み傘は、持っていったのだろうか。合掌。

ハンチョウやるじゃない

期待していた神田正輝さんゲストの第2話、残念ながらM59の出番はなかったが、久しぶりにドック刑事を垣間見たような気がした。
で、ハンチョウこと、佐々木蔵之介さん、まったくノーマークだったが銃の扱いはかなりいい。
銃はたぶん92のエリート。ブリガディアスライドが見える。ホルスターはホリゾンタルタイプだ。これは胸板が厚くない日本人には似合わないんだが、勇気の要るチョイスだ。
脱ガンアクションが主流な今の刑事ものにしては、びっくりするくらい銃が出てくる。スタッフブログには他にPPKとチーフも写っている。
恐らくハンチョウ以外のガンアクションはあまり出てこないと思うが、ソフトアクションに食傷気味な諸兄は、一度ご覧いただきたい。

探偵物語絶賛再放送中

水曜深夜のお楽しみだ。これとガンダムがなければ、私の人生は170度くらい変わっていただろう。
もう30年前のドラマで、出てくる風景や車などは相当古めかしく見える。
何より、ゲストは7割方お亡くなりになっているというのがすごい。まあ、主役が亡くなっているのだからしょうがないか。
各話に出演している女性のゲストを調べてみると、ほとんどがロマンポルノの女優さんだった。当時火曜の9時台にそういうキャスティングがされていたというのも興味深い。
好きな共演者としか仕事をしないという工藤ちゃんのことだから、もしかすると人選も一枚噛んでいたのかもしれない。
山西さんはあぶない刑事などで現在も活躍中、片桐さんは相棒にも出演していた。かほりは甲斐よしひろの奥さんだし、ナンシーは日本で英語を教えているそうな。
工藤ちゃんが生きていたら、何をしているだろうか。生きていたら、9月で還暦になる。
うーん、60歳の松田優作、見たくないなw

西部警察再放送中

全部じゃなくて傑作選みたいな感じだが、傑作選だけに毎回すごい話だ。
今ではもうこういうドラマは制作不可能だろう。ロケや爆破の制限もそうだが、例えば犯人の口を割るために刑事が殴ったり銃で脅したりするシーン、今ではこれが違法だということが、視聴者も知っているわけだ。
いろんな意味で、視聴者も制作側も物事に寛容だったのだろう。昔はよかった的な考え方はしたくないが、いい時代だったことは確かだ。
今は今で、「踊る」のような名作も産み出せたわけだし。
しかしまあ、団長の持っているスコープ付きショットガンは笑える。スコープ見ながらポンプアクションは難しいぞw

特命刑事

あの探偵物語の後番組としてスタートした大激闘が、視聴率低迷のてこ入れで改変したのが特命刑事だ。
長い間探していたオープニングがやっと見つかった。
学生のとき、このオープニングのラストカットがやりたくて、学校の機材を持ち出して、自前のモデルガンを用意して、スタッフ集めて、車に分乗して南港までロケしに行ったのだが、機材トラブルで撮影できずに帰ってきた。
あれもし撮れてたら、今頃Vシネくらいはやってたかもしれない。
んでもっと勉強してたら、今頃こんな生活してないな。勉強せえよ、後輩ども。

あいつがトラブル

YouTubeをうろうろしていたら懐かしいのを見つけた。南野陽子、萩原健一出演の刑事ドラマだ。他にも、織田裕二、宍戸開など、当時は新人だがどえらいキャストだ。
なんと、ひょうきん族の後番組である。私も学生だった。
当時、ちょうど銃に興味を持った頃で、劇中に登場するSW39のデベルカスタムなどは垂涎の眼差しであった。
スタッフもあぶ刑事班と同じなのでその辺は全く心配がない。
視聴率的には失敗したドラマだが、織田裕二は後の踊るシリーズ、宍戸開は刑事貴族など、立派な刑事に成長して?いった。
ショーケンはやっぱり存在感あるなあ。復帰せんかな。