土日に仕事があるので、チケットは金曜日の公演をとるのだが、今回予約してから金曜日が祝日なのに気づいた。できれば心身ともに万全の体制で観劇したいのだが、少しばたばたしてしまった。風呂で汗を流す時間がとれたのは幸いだ。
「占い師」
とある会社の前で占いをしている男が、お金の入ったその会社の名前入りの封筒を拾う。警察に届けるのだが、中に入っていたのは190万円という中途半端な金額。その金額がどうしても気になり、自分が10万くすねたわけではないとその会社に言い訳をしにやってくる。
いつもながらその着眼点には驚かされる。占い師のキャラが完成されていて、ストーリーも自然な展開で入り込みやすかった。190万に執拗にこだわって自己嫌悪に陥る状況が面白い。
「注文の多いステーキハウス」
ステーキハウスの閉店後、マネージャーが反省会を開く。何も意見が出ないので、自分が気づいたことをどんどん注意する。営業が始まり、客の注文をとるマネージャー。凄まじい注文の変更や、いろんな客に対応していく。
反省会がネタ振りになっていて、営業時にそのネタで笑わせる。笑いをとる用のネタになっていて、どっかで見たことのあるキャラだが舞台狭しと動きまくる。
「イベント屋」
茶髪にロン毛の三流イベント屋が、イベントの失敗を敏腕プロデューサーに説教する。
ショートネタ。こういう若者を演じるとき、最近はどうもギャップを感じる。イッセーさんとのギャップというより、むしろ私とのギャップかもしれない。
「夢見る少女」
ライブハウスのようなところ。掃除をしている店員の少女(?)。舞台に立ててあったマイクが生きていることに気づいて、そこで単独ライブを始めてしまう。
モデルは桃井かおりさんか。架空のMCでどんどんエスカレートしていく。
「夫殺し」
取調べを受けているセレブ風の中年女性。夫殺しの状況を尋ねられる。反省している様子は全くなく、淡々と話す。
お高くとまった口調と取調べというシチュエーションのギャップが笑わせる。
「大家族・失業編」
お馴染みのシリーズ。父が失業して三ヶ月だが、子供たちがバイトに行きだして、相変わらずの幸せ大家族。心配して内山さんもやってくる。仕事の話をしているうちに、また仕事に行くと言い出す。
大人数を転がすのは大変なのだが、それをさらっとやってのけるイッセー尾形の真骨頂ネタ。
「山田蜃気楼IN魚津」
ストリートミュージシャンの山田蜃気楼、ふらっと魚津にやってきて、ラジオの公開生放送に出演する。
歌ネタ。今どきの若者らしい受け答えや、魚津の情景も目に浮かぶ。最近の歌ネタは歌を聴かせる方向にいっているような気がする。津村ひろしのようなバカネタも観たい。
今回は全て新作だそうだ。最近はワークショップで集団芝居が多いので、一人は伸び伸びできるから楽しいとおっしゃっていた。イッセー尾形、まだまだ全開である。