最近全国ネットでネタを観る機会が増えてきた。私も好きな芸人の一つなので、この辺で触れておきたい。
八木真澄と高橋茂雄の二人は、立命館大学空手部の先輩後輩にあたる。吉本の若手では珍しく、NSC出身ではない。94年に結成し、97年にはABCの優秀新人賞を獲得、2丁目劇場終期に頭角を現した。
ツッコミの八木は、顔がトミーズ雅に非常によく似ていて、なかやまきんに君に負けず劣らず筋肉バカである。かなりの天然キャラで、その逸話は枚挙にいとまがない。「おぇ!」というツッコミをよくする。
ボケの高橋は、作家肌でシュールなボケが多い。ネタはきっちり組まれていて、シュールな中にも整然とした印象さえある。八木より後輩だが、今は立場的にも同等だろう。
芸人受けする芸人でもあり、非常に仲間が多い。NSCではないのだが、同時期に2丁目などで活躍していた芸人達とも交流が深い。
ネタはコント形式がほとんどで、立ち漫才はほとんどない。高橋のボケに八木がツッコむというのは当たり前だが、高橋のボケがとんでもない方向から飛んでくる。
言葉のボケというのは、正当なものに対して奇異なものをかぶせるわけで、普通は観る方もある程度ボケを予測できるものである。しかし高橋のボケは、予測もつかないあさっての方向からびゅんと飛んでくるわけで、こういうボケは的確なツッコミをしないとボケを活かせないまま終わってしまう。高橋を侍ジャイアンツの番場蛮と例えるなら、八木はキャッチャーの八幡だと言えるだろう。
東京で天下を獲れるような器はないかもしれないが、大阪芸人の底の厚さを存分に見せつけてもらいたいものだ。