宇宙探査にはいろいろな段階がある。眼視観測、望遠鏡観測、探査機近傍観測、探査機着陸観測、そして、有人観測。
人類が地球以外の天体に人工物を離着陸させたのは、月と火星しかない。今回、はやぶさは人類の歴史上初めて小惑星に離着陸した。
三つあるエンジンのうち二つを失いながら、自律航行で困難なミッションをやってのけた。残念ながらサンプル採取には至らなかったが、再チャレンジの準備も進んでいる。
ここまできたら、サンプル採取は無理でも、無事帰還を祈っている。帰って来いよ。
データ詳細
カテゴリー: 天文宇宙
STS-114 Gap Filler Removal Work
現在、ISSとドッキングしてミッションを遂行中のSTS-114ディスカバリーだが、打ち上げ直後に様々な問題が持ち上がった。
再発した耐熱材剥離、耐熱タイルの損傷、NASAは今までにないくらい慎重で、自分達の間違いを認めるまでにその威信はすっかり失せてしまった。
中でも、耐熱材の隙間からはみ出ている接合材については、大気圏突入に支障を来たす恐れがあるとして、シャトル運用史上初の船外修復を行うこととなった。
ISSのロボットアームに乗ったロビンソン宇宙飛行士が、ゆっくりとシャトルに近づく。野口さんはサポート役で作業を見守る。作業部位が通信の届かないところにあるためで、野口さんはロボットアームの操作手とロビンソン飛行士の中継役となる。
シャトル先端の耐熱タイルに覆われた黒い部分にアームが近づく。ロビンソン飛行士のヘルメットカメラ越しにはみ出た接合材が見えた。
引き抜けなければノコギリで切断しなければならず、もし作業が失敗した場合、シャトルの帰還に影響することは避けられない。
ロビンソン飛行士が、耐熱タイルの隙間から飛び出ている接合材を摘む。それは呆気なくするっと抜けた。こうして、初の船外修理は完了した。
何がすごいかって、この作業をPCの前でせんべい食いながらライブで見ることができたということか。
STS-114 Return to Flight
いつ見ても何度見ても打ち上げのシーンというのは背筋が震える。噴煙を上げたロケットが、白い雲を突き抜けて青い空の只中へとつき進んでいく。
100台以上のカメラが今回の打ち上げで用意され、STS-114ディスカバリーの打ち上げを見守った。あの忌わしい事故から二年半。奇麗事ではない、あのロケットには、我々の、いや人類の夢と希望が積まれているのだ。
本来ならばとっくに完成しているはずの国際宇宙ステーションの建設も急務だが、ここで宇宙開発の手を止めるわけにはいかない。
問題は山積みだ。老朽化し始めたシャトル、膨大な開発費用、先の見えない宇宙開発に、人々の興味は先細っている。
しかし、21世紀の人類にとって、宇宙への進出は絶対である。地球の重力に囚われていては、人類の真の進化は成しえない。
打ち上げの成功を祝うとともに、ミッション達成と無事帰還を心からお祈りする。
ディープインパクトミッション
1月の打ち上げから半年。周期彗星テンペル1に向けてリリースされたインパクターは、地球時間7月4日5時52分に衝突し、ミッションは成功した。その瞬間、テンペル1は大きく光り輝き、その様子はHST(ハッブル)でも観測された。
私もNASATVでその様子を観ていたが、インパクトの時間から数分経過し、画像が地球へ送られてくると、JPLのコントロールセンターは拍手と歓声に包まれた。
観測はこれから始まるのだが、彗星の組成、ひいては太陽系の成り立ちがこのミッションによって紐解かれるという。さて、この豪快なミッションは、我々にどんな答えを示してくれるのだろうか。
(写真:Bull's eyeとキャプションがついたインパクト直後の画像)
Sunset on Mars
すっかりニュースにはならなくなったが、2004年初めに火星に着陸した探査車スピリットは、今でも元気に探査活動を続けている。火星で流星群を観測したり、砂丘で一ヶ月ほどスタックしたりと、いろいろ大変である。
そんなスピリットくんが、火星の夕暮れの画像を送ってきた。
火星の夕暮れ
青い。薄青い。地球のように感傷に浸るには少々物足りないが、火星で生まれ育った人々には、これが当たり前の光景になる。
薄明も観測されたようで、やはり火星は地球によく似ている。移住するとするなら第一候補は火星だろう。
さて、私が生きている間に、人類は火星に降り立つことができるだろうか。
World Wind
以前、JAXAのプラネタリウムソフトを紹介したが、さすがはNASA、もっとどえらいものを作ってきた。World Windという、3D地球儀ソフトである。
Win専用、ハイスペックが要求され、高速回線、DirectX最新、.NET Framework必須、しかも空きが2ギガはないと後々苦しいという敷居の高いソフトではあるが、インストールの価値は大いにある。もちろん、フリーだ。
起動すると丸い地球がぽんと表示される。右クリックでドラッグすると、地球がくるくる回る。日本に合わせてホイールでズーム、ある程度近づくと、ツールバーで選択した場所の衛星データがロードされていく。残念ながら日本はそれほど精細ではないが、大きな道路や川などははっきりとわかる。
そして、左クリックで上下方向にドラッグすると、視点が真上から水平方向に移動する。データがあれば高低差が表示できるのだ。山の起伏がはっきりわかり、まさに空から見ている気分である。
それだけではない。何か災害が起きると、その付近の衛星画像が表示できる。先のスマトラ島の津波被害の様子や、火山の噴火、山火事や台風など、ネット経由でデータがダウンロードできる。
以前にシャトルのミッションで詳細な世界地図をつくる
暇つぶしに眺めているだけでも充分楽しめるソフトなので、ぜひお試しいただきたい。ただし、どうも画像のキャッシュが残るようなので、HDDの空きには注意が必要である。
http://worldwind.arc.nasa.gov/